カテゴリー別アーカイブ: Power Query

エディタを開かずにソース変更処理~上級13回

パワークエリは便利ですが、エディタを開かないとクエリの内容を変更できないのが不便です

パワークエリには「パラメーター」という機能があります

「パラメーター」を活用できるようになると、エディタを開かないままで様々な変更が可能になります

 この回では、パラメーターの概念を活用して「エディタを開かないまま様々な変更を可能にする」簡単な事例について解説します

では今回解説する内容の概要を解説します

今、次の画像の黄色く印を付けたファイルからデータを取得しているとします

データを取得するファイルを変更しようとしたら、2種類の方法があります

 エディタのデータソース変更、もしくは、次の画像の箇所(適用したステップは”ソース”の箇所)を変更することです

この回では、上の画像にある変更処理をエディタを開かないまま「パラメーター」の仕組みを使って変更します

目次

1.パラメーターの設定

2.パラメーターの反映

<まとめ>

1.パラメーターの設定

ホームタブから「パラメーターの管理」⇒「新しいパラメーター」をクリックします

すると、次の画面が開きます

こちらの画面では、次の3つを指定します

・パラメーターの名前

・種類➡データ形式を選択します

・現在の値➡データソースとなるファイル名を指定します

上の3つの指定が終了したら、読込処理を行います

2.パラメーターの反映

続きを読む エディタを開かずにソース変更処理~上級13回

シート上からデータソースを変更する方法~上級編14回目

 Power Queryのクエリと連携するファイルを、まるでスマホを操作するかのように簡単に変更できたらいいですよね!

 Power Queryはとても便利なのですが、エディタを開かないと変更ができないのが少々面倒です

前回は「パラメーターの管理」の画面から変更をかける方法を解説しました

 今回は、エディタを完全に開かずに、クエリのデータソース(データ取得元)を下のGIF画像のようにセルの値をもとにして変更する方法を解説します

まず今回のポイントを2点だけ解説します

目次

今回のポイント

1.セルに名前を付ける

2.データソースの確認(ファイルの取得)

3.名前の組み入れ

4.コードの修正

<まとめ>

今回のポイント

A.名前の活用

今回使うデータは、フォルダ名とファイル名がリスト化されています

リスト化されている2つのセルは、左のセルで名前をつけます

B.M言語の使用

 要はコードを書くということなのですが、後で添付するテキストをコピペして使い回した方が効率的です 

A.にて名前を付けたセルの値は可変です

こちらの名前を、「ファイルデータを取得するクエリ内」のコードの中に組み入れます

使用する画面は、過去の記事でオリジナル関数を作成した画面と一緒です

名前を通じて、セルの値を間接的にコードの中に組み込む形にするということになります(例:名前:フォルダ名➡コード:FilePath➡FilePathをデータソースの中のコードへ組み込み)

 では、下の画像のフォルダ内のファイルから「データを取得するクエリ/クエリ名:Dataが既に存在する」という前提にて本格的な解説をはじめます

 上の画像では、フォルダ名が「Folder1」となっていますが「Folder2」も別途存在するものとして解説を行います

1.セルに名前を付ける

ポイントA.でも前述したように、可変のセルに名前を付けます

まず、名前を付ける範囲をカーソルで指定します

名前を付けるのはセルの値に対してですが、名前自体もセルから抽出するので「2行2列」をカーソルで指定します

次に下の図の、黄色の各箇所をクリックします

後は、OKボタンを押せば2つの箇所に名前が設定されています

続きを読む シート上からデータソースを変更する方法~上級編14回目

セルの値を変更するだけで読み込みを変更する方法~上級編15回

今回はエディタを開かないまま、セルの値を変更するだけで「クエリからの読込内容」を変更する方法を解説します

前回は、セルの値を「名前」にて設定し、詳細エディタ画面でコードに組み込みました

今回は、ドリルダウンという方法を活用します

日本語のドリルダウンと意味合いが少し違います

これはPower Queryの特徴的な処理であるとともに、M言語の分野にまで踏み込む処理でもあります

詳細については後程解説します

 今回解説する方法は、前回のように詳細エディタでコードを書かない分、処理は楽です

大きく分けて、2つの処理(①②)を行うだけです!

 まず、変更するセルの値をクエリにする際、クエリを「①ドリルダウン」します

次に読み込みの変更を行うクエリを開きます

そして、ドリルダウンした「クエリ名」をPower Queryエディタの「②数式バーにて組み込み」をすれば処理は終了です

なお、今回使うデータは2つの表から構成されます

1つは元データです

こちらが、上の②の処理の対象です

こちらのデータは、クエリに変換して「I列」にも読み込んでおきます

もう1つは、製品をフィルタリングする為のリストデータです

こちらが上の①の対象になります

こちらのセルの値を変更して、クエリからの読み込み内容を変更します

ちなみに、このセルの値は3つの値から選択できるようになっています

では、本格的な解説をはじめます

目次

1.リストのドリルダウン

2.ドリルダウンの組み込み処理

<まとめ>

1.リストのドリルダウン

まずはリストが設定されているセルをテーブルにし、エディタを開きます(事前にテーブル名:Productを設定しています)

では、冒頭に紹介した①ドリルダウンの処理をします

次のGIF画像のように「右クリック」した後に、「ドリルダウン」を選択します

上のGIF画像の数式バーにも注目してください

下の画像は、ドリルダウン前の時点での「数式バー」の表示です

エディタを開いた時、製品別の列がテキスト型に自動変換されていました

この自動変換は、次の画像の箇所で設定されています(こちらの画面はファイル⇒クエリ設定⇒クエリのオプション、で開きます)

ドリルダウンを行うと、次の画像の数式が表示されます

この{}は「自動で変換された型」の1行目という意味になります

つまり「1行のリストデータに変換した」という意味になります

試しに、3行を読み込んでドリルダウンしてみてください

2行は削除され、1行の内容に再変換されます

では、次に読み込み処理を行います

続きを読む セルの値を変更するだけで読み込みを変更する方法~上級編15回

Power Queryって何?12~重複のないリストを一瞬で作成

こんにちは、Excellent仕事術ガッツ鶴岡です

 ドロップダウンリストはガッツに頼らず、エクセルの入力作業を効率化するのに欠かせないものです

 ところが、ドロップダウンリストの元になる「重複のないリストデータ」を作成すること自体が、実は結構な手間だったりします

 Power Queryでは、この重複の無いリストデータの作成を直感的なクリック操作により作成することができます

 しかも、並べ替えなども行い易い画面構成になっています

 では、ポイントを絞りながらリストデータ作成の解説を行って行きます

1.元データをPower Queryエディターで読み込む

では、まず元データをテーブル化してPower Queryエディターを開きます

テーブル化

2.変換タブの「リストに変換」をクリック

Power Queryエディターが開いたら、変換タブに移動しましょう

すると、「リストに変換」というボタンが見つかるはずです

リストかする列をカーソルで指定したら、この「リストに変換」ボタンをクリックします

リストに変換

すると、次の画像のように選択した1列だけが残っています

3.リストデータのチェック及び再変換

ここから、過去の記事で紹介した「個別の値のカウント」処理を行い、リストに重複がないかどうかを確認します

ちなみに「リストに変換」処理を行うと上の画像のようにもう一つの「変換タブ」へ自動的に移動しています

出力された結果を見ると「12」です

では、画面右の「適用したステップ」にて「計算された個別カウント」を削除して1つ前の状態に戻りましょう!

既に「重複の排除が済んでいたかどうか?」のチェックを行いしましょう!

この解説で使用しているデータだと20行あるので、重複排除は行われていません

ですので、下の画像の「重複の削除」ボタンで重複を消します

重複の削除を行うと、次のGIF画像のように「いくつの行を削除したか?」については出力されないので、この点は注意が必要です

すると12行になりました

後は、昇順もしくは降順で並び替えを行いましょう!

<まとめ>

 今回紹介した、Power Queryエディターのリスト化専用の変換タブは、ユーザーのニーズに合わせてよく作成されていると思います

 このリスト化に必要な次の3つの処理を、うまく組み合わせて処理が進められるようになっています

・重複削除の有無

・重複削除

・並び替え

 ぜひ、ドロップダウンリストを作成する時には、この「リストに変換機能」をうまく活用して省力化につなげて頂けると嬉しいです

長文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました

にほんブログ村 資格ブログ ビジネススキルへ
にほんブログ村 IT技術ブログ VBAへ


にほんブログ村



クエリのコピー・バックアップ・削除他~上級編16回

今回は、各種クエリに関する処理について解説します

解説する処理内容は全部で5つになります

1.クエリを別ファイルにコピー

2.クエリのバックアップ、復元

3.クエリの数が多い場合のグループ化

4.クエリの一括削除

5.依存関係

最後依存関係は前述の1.~4.全てに関わります

この回で解説する依存関係とは、データソースやクエリのマージ(結合)のことになります

 順序は逆になりますが、今回の事例として使用するファイルを解説する意味もありますので、5.依存関係から解説を行います

5.依存関係

今回使用するファイルは、過去の記事でも使用したファイルです

元データ

 この時には、商品台帳と売上台帳をマージして「売上金額クエリ」を作成し、売上金額を計算しました

では早速、「売上金額クエリ」の依存関係を見てみます

解説対象のクエリ

 まず「売上金額クエリ」の上で右クリックして、Power Queryエディタ(以降、エディタ)を開きます

クエリの編集

エディタが開いたら、表示タブをクリックします

クエリの依存関係

すると、上の画像右の「クエリの依存関係」をクリックできるようになります

下の画像が、「クエリの依存関係」をクリックした時に開く画面です

依存関係

上の図を見ると「売上金額クエリ」は①商品台帳クエリと②売上台帳クエリとマージしており、この2つのクエリに依存しているのが分かります

①と②についても、依存の状況は分かります

①商品台帳クエリ

このクエリは「e:\パワークエリ講座・・・」のフォルダにあるファイルからデータを取得しているのが分かります

依存関係

この 「e:\パワークエリ講座・・・」の上にカーソルを置くと更に詳細が分かります

②売上台帳クエリ

 売上台帳クエリは①の商品台帳クエリと違い、売上金額クエリが存在するファイル内からデータを取得していることが分かります

 上の関係図にはないですが、売上台帳クエリは現在ブック内の「売上台帳テーブル」からデータを取得しています

 ちなみに上の図に、「読み込まれていません」とありますが、こちらはクエリの読込先が「接続のみ」になっていることを表します

 今回、事例とするクエリのことも解説したところで、前述の1.~4.についても解説を行って行きます

1.クエリを別ファイルにコピー

まず、商品台帳クエリを別ファイルにコピーします

商品台帳クエリ

商品台帳クエリ上で右クリックし、「コピー」をクリックします

クエリのコピー

そして、別ファイルで貼り付けます

クエリの貼り付け

では、他2つのクエリに依存している「売上金額クエリ」を別ファイルにコピーしてみます

すると下の図の通り、依存している2つのクエリも同時にコピーされます

売上台帳クエリは「現在のブック」内のテーブルを取得元にしています

別ファイルには、もちろん「売上台帳クエリ」の取得元になるテーブルはありませんので、売上台帳クエリはエラーになります

そして、「売上台帳クエリ」に依存している「売上金額クエリ」もエラーになります

続きを読む クエリのコピー・バックアップ・削除他~上級編16回

Power Queryって何??11~ユニークな数の集計~

今回は、Power Queryならではの集計処理について1点だけ紹介します

ある列に存在する文字列、もしくは値のユニークな数を集計するのは面倒ですよね

上の画像内の「商品コード」を例に取れば

「商品コードが10001、10002・・・10006は4つあるので1個にカウントして、全部で6個あります」

と目で数える人はさすがにいないとは思いますが、関数を使ったとしても、複数回の処理ステップが必要ですよね

ところが、Power Queryでは直観的にクリック操作していけば、このユニークな数を集計できます

解説には上の図にある表を使用します

目次

1.Power Queryエディターを起動

2.「統計」タブの「個別の値のカウント」をクリック

1.Power Queryエディターを起動

2.「統計」タブの「個別の値のカウント」をクリック

①変換タブに移動

Power Queryエディターが起動したら、変換タブに移動します

続きを読む Power Queryって何??11~ユニークな数の集計~

文字列の抽出~上級編17回

 エクセル関数で特定の文字列を抽出する場合には、RIGHT関数やLEFT関数、そしてMID関数が良く使われます。今回の解説では、Power Queryでこれらの関数と同じ様に特定の文字列を抽出する方法を解説します。

 また、特定の文字列の位置が不特定の場合、エクセル関数ではFIND関数やSEARCH関数が前述の関数と組み合わせて使用されます

Power Queryでは、特定の文字列の位置が不特定の場合でも一括で抽出できる裏技がありますので、そちらについても解説を行います

例えば、

 下のGIF画像のように、「-」が不規則に出現する文字列の中から「左から2つ目3つ目ハイフン」の文字列を抽出することもできます

では、Power Queryにて特定文字列を抽出する方法について詳細な解説をはじめます

 以降の解説は、全てPower Queryエディタ(以降、エディタ)を開いた状態から解説を行います

エディタ内で使用するタブは「変換タブ」、使用メニューは「抽出」になります

目次

1.左から指定した長さの文字数を抽出

2.右から指定した長さの文字数を抽出

3.位置を指定して文字列の途中から指定した長さを抽出

4.特定の文字列の前後の文字を抽出

5.「特定の文字列の間」の文字を抽出

<まとめ>

1.左から指定した長さの文字数を抽出

エクセル関数では、LEFT関数で行う内容です

こちらは、下の画像の「最初の文字」から抽出を行います

上の画像の「最初の文字」をクリックすると下の画像の画面が開くので、こちらで抽出する長さを指定します

OKボタンを押せば、下のGIFのように左から3文字が抽出されます

2.右から指定した長さの文字数を抽出

こちらはエクセル関数で言えば、RIGHT関数になります

下の画像にある「最後の文字」から指定します

1.の「左から指定した長さの文字数を抽出」と同じ様に、「最後の文字」をクリックした後に開くダイアログボックスにて抽出する長さを指定します

後の処理は、1.と同じです

続きを読む 文字列の抽出~上級編17回

文字列の追加、置換~上級編18回

 

 今回は、既存の文字列に「新たな文字列を追加」する方法と、「文字列を置き換える」方法を解説します

「文字列を置き換える」場合、繰り返し同じ文字が出現する時には、特定の位置の文字だけ置き換える必要が出てくる時があります

その場合には、過去に解説した「文字列の抽出」「列のマージ」を組み合わせて置き換えます

では、本格的な解説をはじめます!

尚、解説はPower Queryエディタ(以降、エディタ)画面内の操作のみになります

目次

1.文字列の追加

2.文字列の置換

3.繰り返し文字の置換

<まとめ>

1.文字列の追加

①既存文字列のに追加

下の画像の文字列の前に文字列「A-」を追加する方法を解説します

なお、文字列を追加する場合、元の文字列を残したまま、新たに「文字列を追加」した列を追加する方法と、元の文字列に対して、「文字列を追加」する方法があります

今回は、元の文字列を残したまま、新たに列を追加する方法で解説します

ですので、下の画像のように「列の追加」タブを使用します

「列の追加」タブ内にある「書式」の右横の▼マークから「プレフィックスの追加」をクリックします

すると下の画像のような画面が開きますので、追加する文字列「A-」を指定します

追加する文字列を指定したら、画面右下のOKボタンを押せば、下のGIF画像のように文字列「A-」が既存の文字列のに追加されています

②既存文字列のに追加

下の画像の文字列の後に文字列「-B」を追加する方法を解説します

基本的には、①の既存の文字列の前に文字列を追加する方法と一緒です

但し、下の画像の箇所にて、クリックする箇所が違います

「プレフィックスの追加」でなく「サフィックスの追加」をクリックします

それ以外の処理は①と一緒です

続きを読む 文字列の追加、置換~上級編18回

Power Queryって何?~ピボット解除(縦横並び替え)と入れ替えの違い~

Power Queryの魅力の一つに、 行列の縦横の並び替えを自動で変更できること
ピボット解除) が挙げられます

 業務でデータ成型(データクレンジング)を行う人は絶対に覚えておくべき技術です

もし、手動で縦横の並びを変えるとなると、相当な手間です

ここで疑問を持つ人がいるかもしれません

「縦横の並び替え(ピボット解除)」と「行列の入れ替え」はどう違うのか?

この2つは似て異なるものです

この2つの処理が、具体的にどう違うのかを明確に理解した上で、ピボット解除を使いこなせるようになると、Power Queryをより実践的に使えるようになります

2つの処理の違いを実際の例で確かめてみましょう!

とちらもこの表からスタートします

1.ピボット解除

①テーブルまたは範囲からデータ取得

上の表をまず、「テーブルまたは範囲から」を指定し、エディター画面に呼び出します

②ピボット解除

エディター画面で一番左の列にカーソルを置き、右クリックします

すると、「その他の列のピボット解除」が選択できるようになっています

こちらをクリックしましょう!

こちらをクリックすると、一番左の列を軸にして、他の列を回転させるということになります

2.行列入れ替え

今度は、「行列の入れ替え」を行ってみましょう

明らかに、1.のピボット解除とは結果が違っていますよね

では、1.ピボット解除と2.行列の入れ替えをエクセルシート上に読込んで比較してみましょう

ピボット解除は元のデータを縦(ABC)横(123)並びから、縦(AAA)縦(123)の並びに変えています

一方、行列入れ替えは 元のデータを縦(ABC)横(123) 並びから、横(ABC)縦(123)⇒横にずれて縦(456)の並びに変えています

ピボット解除と行列の入れ替え、似ているようで異なるものです

2つの処理から出たデータを並べると、違いが明確になったと思います

今回は以上です

最後まで記事を読んで下さり、誠にありがとうございます

Power Query講座も連載していますので、こちらも参考になれば幸いです

にほんブログ村 資格ブログ ビジネススキルへ
にほんブログ村 IT技術ブログ VBAへ


にほんブログ村

エラー発生の予防/列のデータ形式変更と削除について~上級19回~

 Power Queryの便利な点は、普段から使い慣れたエクセルをAccessのようなデータベースとして活用できる点です。このページを訪問して頂いた方の中にもAccessは細かなルールが多くて不便と感じた方もいらっしゃったと思います。

 Power Queryは自動で、Accessの不便な点を補ってくれる機能があります。そのかわり、エラーが出やすい箇所があります

このエラーはPower Queryの2つの特徴と深く結びついています

 Power Queryの2つの特徴について解説しながら、「列名変更」に関するエラーの発生を防ぐ方法について解説します

 エラーの発生を防ぐ方法を理解した時には、「データ形式」も含めてPower Queryへの理解が一段と深まっているはずです!

ところで、

エクセルとAccessの違いとは何でしょう??

エクセルはあくまで表計算ソフトです

Accessはデータベースソフトです

 この2つの違いを、別な言い方で表現すると「データの構造化」ということになります

こちらが、Power Queryの特徴の1つ目の話しです

Accessでは、いきなりデータから入力はできないようになっています

 上の画像のように「データを入力する箱」をフィールド毎(エクセルでは列毎)に「フィールド名/見出し」「データ型」を設定しなくてはいけません

つまり、予め入力するデータの箱を「構造化」しておくわけです

 今回の解説では、上の画像についてはこれ以上は深入りしませんが、上で前述した「データの構造化」を意識して、以降の記事を読み進めてみてください!!

今回、解説に使用するデータは次の画像のデータです

 こちらの3列(売上日、商品コード、販売個数)からなるテーブルデータから、下の画像のように商品コードの1列を抽出するクエリを作成しておきます

そして、元のテーブルデータの「販売個数」の列名を変えます

すると、「商品コード」のみを抽出するクエリを更新するとエラーになります

 エラーの中味を見てみると、抽出する「商品コード」とは関係ない列の「名前変更」によりエラーが発生しています

実は、このエラーは前述の「データの構造化」が深く関係しています

では、こちらのエラーを回避する方法を以下、2パターンで解説します

1.ステップ「変更された型」の削除

まずは、前述のクエリの中味をPower Queryエディタ(以降、エディタ)で見てみます

適用したステップは3つあります

こちらの3つのステップを、上から順に各ステップの「数式」を見てみます

①ソース

こちらは、ファイル内の「売上台帳」テーブルをデータソースとして読み込んでいるのが分かります

②変更された型

こちらのステップでエラーが発生しているのが、よく分かります

こちらの数式に含まれる「販売個数」は、既に名前が変更されているのでエラーが発生しています

③削除された他の列

こちらのステップで「商品コード」列のみを抽出しています

 実際には、次の画像のように「商品コード」以外の列を削除してステップが作成されています

①~③のステップの中味を確認したところで、エラー原因となった②のステップを削除してみます

すると、エラーは消えます

仮に元の列名が「販売個数」の列名を、再度変更してもエラーは発生しません

これで、列名の変更でエラーが発生しないクエリに変更できました

ところで、

今回のエラー発生の原因となった「変更された型」のステップとはなんでしょうか?

エディタを開く時には、「変更された型」のステップは自動挿入されています

このステップは記事の冒頭で前述したPower Queryの1つ目の特徴である「データの構造化」と深くかかわっています

試しに下の画像のように、最初からクエリを作成してみます

開いたエディの中味を見ると、「変更された型」が前述のように自動追加されています

そして、各列も自動で「型式」が変更されています

例えば、商品コードの型式は元々は「文字列」でしたが、下の図のように「123」マークの「整数型式」に自動変換されています

下の図のように元のデータにて、数字かどうかを判定する数式「ISNUMBER」で判定するとFALSEになり、「文字列」だったことがよく分かります

記事の冒頭で前述したように、エクセルはあくまで表計算ソフトです

表計算ソフト内にあるデータは、データベースとしては構造化されていません

Power Queryでは、Accessとは違い、自動でエディタ内にて「構造化」の設定を行ってくれているのです

ちなみに、AccessのファイルをPower Queryで読み込むと「変更された型」のステップは発生しません

 AccessファイルをPower Queryで読み込む方法は過去の記事で紹介していますので、興味のある方は試してみてください

話をPower Queryの「構造化」に戻します

「構造化」は元データの全ての列に対して設定を行うので、エディタ内で削除した列も設定の対象です

しかも「構造化」は元の列名に対して行われます

ですので、一見、クエリに関係ない列の「名前の変更」が影響するのです

 但し、「商品コード」が文字列から「整数」に変換されたように、常に正しく「構造化」が行われるわけではないので注意が必要です

自動で変更された型を変更する場合には、下のGIF画像の箇所で調整を行います

下の図のように「文字列」は「テキスト」となっている点に注意してください

上の図の詳細な内容については、一覧でMicrosoft社のHP内で紹介されています

さて、

 エラー発生の対策をしたクエリからは「変更された型」のステップは削除されていますが、こちらのステップを後から追加することもできます

上の画像の黄色の箇所にある、変換タブ内の「データ型の検出」をクリックすると、「変更された型」のステップが追加されます

2.削除の仕方の変更

2.削除の仕方の変更では、1.とは別なアプローチでエラーを解決してみます

まず、エディタ内の画面左側から1.でエラーが発生しなくなったクエリを「複製」してみます

複製したクエリの最終ステップでは、前述のように「商品コード」以外の列を削除しています

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-235.png

こちらのステップを削除して、次のGIF画像のように他の2つの列を1つ1つ削除します

2つの列を削除した後、エクセルシートに読込みます

次に、列名を「TEST2」から「TEST3」に変更すると複製したクエリはエラーになります

このエラーの原因は「列の削除の仕方」にあります

下の図のように、列名変更前の「TEST2」の列名を指定して「列の削除」をおこなっているからです

 こちらのエラーについては下の画像の黄色の箇所のように、列の削除の仕方を「列名」を指定しない方法(他の列の削除)で行えば発生しません

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-235.png

このエラーはPower Queryの「ハードコード」という特徴と深く結びついています

Power Queryでは、エディタ内の操作がステップとして記録されます

このステップ内には、も記録されます

前述のエラーで言えば、「列名を変更する前」の列名です

こちらは、列名が変更になると「ハードコード」した列名と一致しなくなってしまい、エラーになったのです

<まとめ>

 今回は、エディタ内で削除した「列名」を後から修正した場合に発生するエラーの修正方法について2つ解説しました

 1つ目は「変更された型」という自動で追加されるステップを削除してエラーを回避できるようにしました

2つ目は列の削除の仕方を、削除する列名を特定しない方式に変更しました

2つの方法はそれぞれ、Power Queryの2つの特徴と深く結びついています

 1つ目の「変更された型」に関するエラーは「データの構造化」というPower Queryの特徴と結びついています

 エディタでデータを読み込む際に、全ての列を対象にして「見出し」「データ形式」を設定します

ですので、エディタ内で削除した列の「列名変更」がエラーの原因になります

 こちらの「変更された型」については、「変更された型」のステップを削除する方法ともう一つ、対処方法があります

データタブの「データの取得」をクリックすると一番下に「クエリオプション」が出てきます

こちらをクリックすると次の画像の画面が開きます

こちらの画面で、「非構造化ソースの列と型とヘッダーを検出しない」を指定しておくという方法もあります(自動で検出されていた部分が検出されなくなるので注意が必要です)

ここまでで、Power Queryの1つ目の特徴についての「まとめ」を解説しました

次は2つ目の特徴である「ハードコード」についてです

Power Queryではエディタ内の操作が「ステップ」として記録されます

こちらの「ステップ」には値も直接書き込まれます

ですので、前述の2.で列を削除した際には「列名」も値として記録されました

ですので、エディタ内で削除した列の「列名」が変更になると、列名の「不一致」が発生してエラーになったのです

下の画像で言えば、「TEST2」の列名の列を削除するように数式が設定されていましたが、既に「TEST3」に列名が変更になっていたのです

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-248.png

 今回はPower Queryの2つの特徴について、理解を深める機会になったと思います

この2つの特徴を理解しておくと、Power Query自体への理解も深まります

 ぜひ今回を機会に「データの構造化」「ハードコード」について意識した上でPower Queryに取り組んでいきましょう!

では、今回は以上となります

参考までに今回使用したエクセルデータを添付します

長文に最後までお付き合い頂き、まことにありがとうございました

にほんブログ村 資格ブログ ビジネススキルへ
にほんブログ村 IT技術ブログ VBAへ


にほんブログ村