今回は、クエリのデータの中味ではなく、列名を別クエリ(別表)からダイナミックに変更する方法を解説したいと思います
上のGIF画像では、画面左にある表の内容を変えたら、右にある表の列名が変更されています
この仕組みは、クエリ上で列名を変更した後、エディタ内に記録された内容にM関数を間接的に組み込む形で作成します
一から、仕組みを構築するわけではないので、最初の印象よりも簡単に作成できます
目次
今回のポイント
入れ子のリスト
仮に、空のクエリに下の数式を入力してみたとしましょう
= {{1,2},{3,4},{5,6}}
すると、次の画像のようにリストが複数できます
今の段階では、この内容が後で出てくるということだけ覚えておいてください
使用するM関数
今回は2つのM関数を使用します
① Table.RenameColumns ➡列名変更
書き方:Table.RenameColumns(テーブル名, リスト名)
②Table.ToColumns ➡テーブルからリスト(入れ子)作成
書き方:Table.ToColumns(テーブル名)
今回のポイントを確認したところで、本格的な解説を始めたいと思います
クエリの列名変更(仮の処理)
まずは、元のデータ/テーブル名:AllDataをテーブル化してエディタで開きます
そして、エディタ内で全ての列名を変更します
すると、数式バーは次のような表示になっています
= Table.RenameColumns(ソース,
{{“年度”, “Year”}, {“製品別”, “Product”}, {“地域”, “Region”}, {“売上金額”, “Sales”}}
)
今回のポイントで紹介したM関数「Table.RenameColumns」が入力されています
そして、第二引数は入れ子になったリストになっています
こちらの第二引数については、後で修正します
列名変換のための入れ子リスト作成
今度は、新旧の列名を変換するためのデータをテーブル化してエディタで開きます
エディタで開いたら、変換タブで行列を入れ替えます
*行列の入れ替え前にヘッダー行を下げておいてください
ここから入れ子のリストを、今回のポイントで紹介したM関数「Table.ToColumns」を使用して作成します
こちらは、下の画像の「詳細エディター」で作業を行います
下の図の2行目/転置されたテーブルの下にM関数を追加します
注意点は2点あります
1点は、2行目が最終行でなくなるので、「,」を上の画像の黄色い印のように加えること
2点目は、inの後はletの最終行のリストに置き換えること
この2点です
詳細エディターでの作業を終えたら、エディタは次の画像のようになっています
リストが入れ子になっているのがよく分かります
リスト名は上の画像のように「列名」としておきます
入れ子リストの組み入れ
前述の仮で列名を変えてあるクエリに、新たに作成したリスト「列名」を組み入れます
上の画像の数式バーの部分を抜き出すと、次のようになっています
= Table.RenameColumns(ソース,
{{“年度”, “Year”}, {“製品別”, “Product”}, {“地域”, “Region”}, {“売上金額”, “Sales”}}
)
こちらの第二引数の入れ子リストを、前述のリスト「列名」に入れ替えます
これで、列名のリストの基となるデータを変えれば、ダイナミックに「AllData」クエリの列名が変更されていきます
<まとめ>
今回は、入れ子のリストの仕組み、並びにM関数を2つ使用して、クエリの列名をダイナミックに変更する仕組みを解説しました
今回の解説の入り口は、空のクエリで入れ子のリストを作成する点です
こちらはよく復習されておくと、色んな場面で応用が効くと思います
後、記事の途中で詳細エディターを使用した場面がありましたが、少し補足をしておきます
通常、詳細エディターを開くと次のようになっています
上の図のように、ソース➡ソース、追加されたカスタム➡追加されたカスタムという風にテーブル名が次の行に引き継がれていきます
今回もテーブル名をM関数/Table.ToColumnsの()の中に引継ぎました
なお、「,」はletの最終行には付けないので、この点はご注意ください
最後まで記事の最後までお読みくださり、誠にありがとうございました
参考までに今回使用したファイルも添付します
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