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M言語に慣れる_7回目~空のクエリからテーブル作成~

【M言語はむずかしくない!】今回は、空のクエリから、3種類の括弧を使ってテーブルを作成します。テーブルを作成した後は、M関数も作成を行います!その際、M関数を使いやすくする方法についてもあわせて解説します!!

前回は2種類の括弧を使い、エディタ内で各種参照を行いました

角括弧 / [] ➡ リスト、列の抽出

波括弧 / {} ➡ レコードの抽出

前回で、M言語における2種類の括弧の役割がおぼろげながら見えてきたと思います

 今回、3種類の括弧を使ってテーブルを作成した後は、過去に紹介した方法とは別の方法でM関数を参照する方法についても解説します!

3種類の括弧に慣れると、M言語がグンと理解し易くなりますし、応用も効きます!

ぜひ、実際に手を動かして取り組んでみてください

まずは、空のクエリを作成するところから行います

なお、

他のクエリも後程参照したいので、演習を行う際には、既存クエリが存在するファイルを使用してください

目次

準備作業/空のクエリを作成

リスト作成

レコード作成

テーブル作成

M関数の用法を参照・作成/列名変更

<まとめ>

準備作業/空のクエリを作成

まずは空のクエリから作成します

「データタブ」➡「データの取得」の順でクリックします

その後、下の画像にて黄色に印をつけた箇所を上から順にクリックします

そして、下の画像にある「空のクエリ」をクリックします

するとエディタが開き、空のクエリが立ち上がります

リスト作成

リストは波括弧 / {}を使用して作成します

①値が1個

では、数式バーに={“a”}と入力してみます

リストができ、値がリストに1つ入りました

②値が2個

では、={1,2}と入力してみます

リストができ、値がリストに2つ入りました

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M言語に慣れる_9回目~複数シートをコード1行で結合~

【M言語は難しくない】今回は、空のクエリM関数を1つ入力するだけで複数シートを一気に結合できるようにします!今回紹介するM関数を使いこなせば、面倒なシート間のデータのバケツリレーから抜け出すことができます

 Power Queryで複数シートを結合する方法として一般的に紹介されている方法では、次の画像の処理「クエリの追加」が必ず入ると思います

今回は、「クエリの追加」は使わず空クエリの数式バーに「=Excel.CurrentWorkbook()」を入力します

1つM関数を入力するだけで、ファイルに含まれるシート内のテーブルが全てエディタ内に反映されます

これで、シート間のバケツリレーの作業からは抜け出すことができます!

但し注意点もありますので、そちらもあわせてM関数/Excel.CurrenWorkBookの使用方法を解説します

目次

今回のポイント

今回使用するデータ

準備作業/空のクエリを作成

M関数の入力/Excel.CurrentWorkbook

読み込み処理

データの循環対策

シート追加テスト

<まとめ>

今回のポイント

今回はM関数を入力した後に、1点だけ注意点があります

それは、循環問題です

複数シートを1つにまとめた内容/クエリが、M関数に反映されてしまいます

ですので、クエリを更新すると読み込み行数が倍になります

対策として、適用したステップに1つのステップを追加します

今回使用するデータ

今回使用するデータには、シートが3つ含まれています

1シートが1か月分の出荷データになっています

各シートの内容は、事前に「シート名/Data_y年m月」をテーブル名にしてテーブル化してあります

次のファイルが今回、実際に使用するサンプルデータです

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M言語に慣れる_10回目~グループ毎に連番作成~

【M言語は難しくない】今回はデータをグループ化した際に、1から始まる連番をグループ毎に作成する方法について解説します。この処理の仕方を覚えると、エクセルの使い方の幅が広がります

コードの採番や顧客の2回目のリピート状況把握など、使いみちは沢山あります!

しかも知られざるグループ化機能を使えば、1つのM関数を入力するだけでできてしまいます

まさに魔法です

ぜひ、実際に手を動かしてこの魔法を体験してください!

目次

今回のポイント

今回の使用データ

グループ化の実施

M関数の入力

<まとめ>

今回のポイント

今回のポイントは2つあります

グループ化

グループ化する際に、よく選択される操作は「合計」などです

今回は「すべての行」という操作を選択します

 この「すべての行」を選択して操作を行うと、グループ毎テーブルが作成されます

M関数作成

連番は「列の追加」タブの「インデックス列」のメニューから、クリック操作で簡単に作成できます

 今回は、既存のメニューは使用せず、カスタム列の作成画面から「Table.AddIndexColumn」というM関数を使用して「連番」を作成します

 M関数で作成することで、ポイントの1点目で作成されたグループ毎のテーブルを、関数の引数として指定できるようになります

今回の使用データ

今回は下の画像にあるデータの「部門」列をグループ化します

グループ化した後は、グループ毎に連番を振ります

以下が実際に使用するサンプルデータです

グループ化の実施

解説は、前述のデータをテーブル化し、エディタを開いたところから行います

エディタを開いたらまずは、グループ化を行います

グループ化は「ホームタブ」の「グループ化」メニューから行います

次に開いた画面では、前述のように操作を「全ての行」で設定します

・グループ化対象列 ➡ 「部門」列

・新しい列名 ➡ 「部門列」

・操作 ➡ 「すべての行」

空欄のままでOKです

上の内容で指定してOKボタンをクリックすると、エディタ内では次の画像のように、テーブルがグループ別に作成されています

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【M言語に慣れる】_15回目_TEXT関数/文字列関数

【M言語は難しくない】今回は、TEXT関数の中から、2つの事例を紹介したいと思います。通常のエクセル関数と同じ様に、M言語でも文字列を操作する関数は多数あります。興味のある方はぜひ、こちらのMicrosoft社のページも参照してみてください

目次

文字列の有無を判定する関数

文字列を置き換える関数

<まとめ>

文字列の有無を判定する関数

 Text.Contains関数は、ある文字列の中に指定した文字列があるかとうかを判定し、「TRUE」か「FALSE」で返す関数です

以下の一文は、Microsoft社のページからの抜粋になります

Text.Contains(“Hello World”, “Hello”)

上の ように記述した場合には、「TRUE」を返します

次もMicrosoft社のページからの抜粋になりますが、この場合は「FALSE」を返します

Text.Contains(“Hello World”, “hello”)

ちなみに、

 M言語では、大文字と小文字の違いは考慮されますので、この点は注意が必要です

では、実際にPower Queryエディタ(以降、エディタ)で実際にこの関数を操作してみます

使用するデータは、「抽出」という1列だけがあるこちらのデータになります

 上の画像のデータから、Text.Contains関数で文字列「0」を含む行を判定し、「TRUE」もしくは「FALSE」を返してみます

まず、「列の追加」タブからカスタム列・作成画面を開きます

こちらの画面でカスタム列の式に「Text.Contains」と入力します

上のGIF画像のように「Text.Con・・・」と入力する途中で、該当の関数が出てきますので、Tabキーで確定します

次にText.Contains関数の丸括弧の中を、以下の画像のように確定します

すると、エディタ内に「0」が含まれる行を判定した列が追加されます

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不規則に散らばっているデータを一括取得~M関数~

 今回は上の画像のようにデータが複数シートに散らばっており、しかも行見出し位置/ヘッダー行不規則なデータを一括で取得します

今回の最大のポイントは、List関数で行見出しの位置を取得する点です

そこさえクリアすれば、意外と簡単にできます

では、今回使用するデータと行いたい事の確認から解説を始めます

今回使用するデータと行いたい事

今回使用するのは次のファイルです

このファイルの中には3つのシートがあります

但し、前述のように3つのシートそれぞれの行見出し位置が違います

 2020年1月のデータは1行目から始まっていますが、2月のデータは2行目から始まります

そして、3月のデータは3行目からです

 この3つのシートからM関数を組み合わせてデータを一括で取得するのが、今回行いたい事です

今回のポイント

 今回の最大のポイントは、前述のようにList関数で行見出し位置を取得することです

 行見出し位置を取得するには、行見出しにある「客先コード」をキーにして、M関数「List.PositionOf」を使います

List.PositionOf関数の他にも2つM関数を組み合わせます

List.PositionOf

List.PositionOf関数はリストの中から、指定の値の位置を取得します

書き方は、次の通りとなります

List.PositionOf(リスト名,取得したい値)

ここで、注意点が1点あります

M言語は0ベースである点です

例えば、List.PositionOf関数を使用すると、次の画像の「客先コード」の位置はではなく「0」とでます

これは、M言語が0で始まる仕組みになっているからです

Table.RemoveFirstN

Table.RemoveFirstNは、テーブルから指定した行数を削除するM関数です

書き方は次のように書きます

Table.RemoveFirstN(テーブル名, 削除する行数)

Table.PromoteHeaders

Table.PromoteHeadersは、1行目を見出しに昇格させるM関数です

Power Queryエディタ内にも同じメニューがあります

今回の内容は、後述しますがM関数で行った方がベターです

このM関数の書き方は、次の通りとなります

Table.PromoteHeaders(テーブル名)

今回のポイントである、3つのM関数の内容を確認したところで、本格的な解説をはじめます

ファイルの読込

まず最初に、前述のサンプルファイルの読込処理を行います

サンプルファイルとは別のファイルで、下の画像の処理を行います

 上の画面の「ブックから」で前述のサンプルファイルを指定した後、Power Queryエディタ(以降、エディタ)が開くと次の画像のような状態になっています

上の画像の左から2つ目の列にある「Data」が今回のポイントの一つです

 各行にある「Table」の文字の横をクリックすると、次のGIF画像のように中味が見れます

次からはこの「Data」列を活用して、カスタム列をM関数により作成します

カスタム列の作成

List.PositionOf関数で行位置を抽出

では、カスタム列・作成画面を開きましょう

 ここで確認ですが、行位置を取得する対象は下の画像の「客先コード」の文字です

 上の画像を見ると、「客先コード」にはⅰ)Data/Table➡ⅱ)Column1➡ⅲ)客先コードの順で指定するとたどり着けるようになっています

 カスタム列・作成画面でも、M関数/List.PositionOfでの引数設定時に上の流れを使用して指定します

上の画像のようにList.PositionOf関数の引数を次の様に指定します

一引数:[Data][Column1]

第二引数:”客先コード”

そして、カスタム列・作成画面の下にあるOKボタンを押すと次の画像のように客先コードの位置が出力されます

あくまでM言語は0から始まるので、その点についてはご注意ください

 1行目の内容では、客先コードは1行目にありますがM言語のベースに従って0と出力されています

Table.RemoveFirstNで不要な行の削除

 List.PositionOf関数により行見出しの位置は抽出できましたので、「行見出しの位置-1」分の行数をM関数/Table.RemoveFirstNを使用して削除します

Table.RemoveFirstN関数の書き方は、前述の通り次の通りです

Table.RemoveFirstN(テーブル名, 削除する行数)

今回は上の第一引数のテーブル名には、[Data]を入力します

そして、第二引数には上のList.PositionOf関数をー1をせずにそのまま設定します

 上の画像の通りに数式を指定してOKボタンを押すと、「本来、行見出しにするべき行/客先コードのある行」が次の画像のように1行目に来ています

但し、このまま作成されたテーブルを展開すると不都合な点が1点あります

 本来、行見出しにするべき行が行見出し/ヘッダーになっていませんので、このまま展開作業をすると不要な行見出しがデータとして入り込んでしまいます

ですので、もう一つのM関数で不要な行を削除できるようにします

Table.PromoteHeadersで見出し行を作成

では、最後の仕上げとして各テーブルの1行目を見出し行/ヘッダーにします

 こちらは、M関数/Table.PromoteHeadersの()の中にこれまでの内容を入れるだけです

Table.PromoteHeaders関数の内容を反映した結果が次の画像です

 上の画像の内容で、各テーブルを展開処理すればいいのですが、その前に既存の列は削除しておきましょう

「他の列の削除」が終了したら、後は各テーブルを展開するだけ終了です

<まとめ>

 今回は、List.PositionOf関数をはじめとする3つのM関数を組み合わせて、不規則なデータを一括で処理できるようにしました

最大のポイントは、不規則な行見出しの位置をM関数で取得する点です

 それさえできれば、後は機械的にM関数を組み合わせるだけで一括処理ができるようになりました

今回の題材は、M関数の魅力、そしてM言語の魅力を知るのにいい題材だったと思います

ぜひ手を動かして体験してみてください

長文に最後までお付き合いいただきありがとうございました

参考までに、今回の内容の完成版のファイルを添付します

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カスタム関数を自身で登録して使い回す2~上級編9回目

 今回はPower Queryでカスタム関数を作成した後、実際に作成した関数を呼び出す方法を解説します

まずは、前回の内容の「振り返り」から行いたいと思います

前回は、カスタム関数を作成する際の「ポイント」と「作成画面」について解説しました

 解説の対象となる、これから完成しようとしてる「カスタム関数」は次の画像の「販売単価」「製造原価」「販売個数」から「利益」を算出する関数です

 上の画像の数式バーにあるように、利益を算出するのに数式を入力していたところを、カスタム関数を呼び出すだけで「利益」を自動算出できるようにします

カスタム関数のポイントとしては、2点を解説しました

1点目は、中学時代に習った「方程式を思い出す」です

カスタム関数はこの方程式と同じ様な考えで作成します

そして、代入するのは「列の名前」になるのが特徴です

2点目は、カスタム関数の作成画面についてです

前回は、上の画面を開いたところまでを行いました

 では、この「詳細エディター」画面にてカスタム関数を設定するところから解説をはじめます

目次

1.関数の設定

2.カスタム関数の呼出し

<まとめ>

1.関数の設定

今回は、次の数式を詳細エディター上に関数として設定します

利益=(販売単価-製造原価)x 販売個数

ここで、詳細エディターへの設定方法を分かり易くするために、前回のポイントで解説した方程式を使って解説します

前回のポイントで、方程式の事例として解説したのは次の方程式です

Y=aX + b

上の方程式を詳細エディターに設定したとすると、次の画像のようなイメージになります

詳細エディター設定例

letの箇所は2段の設定になります

1段目:Y = (a,X,b) =>

2段目:ax + b

1段目で「変動する数」として使用する記号を、=を挟んで右辺と左辺に分けて設定した後に、「=>」の2文字で2段目に繋ぎます

そして、2段目では方程式の右辺を設定します

inの箇所はYを設定するだけです

方程式を例に取って、詳細エディターの設定イメージをお伝えしたところで、本題の関数を設定します

利益=(販売単価-製造原価)x 販売個数

上の数式の「変動する数」はそれぞれ、以下のように設定するものとします

・利益 ➡profit

・販売単価 ➡price

・製造原価 ➡cost

・販売個数 ➡quantity

では、上の「変動する数」を詳細エディターにあてはめると下の図のようになります

画面下に以下の文字が出ていたら、右下の「完了」を押します

すると、下のような画像に切り替わります

画面には「パラメーターの入力」と出ていますが、こちらは無視していいです

ここからは通常のクエリを作成した時と同じように、エクセルシートに読込処理を行うわけですが、画面右にてクエリー名を「利益」としておきます

読込処理を行った後は、通常のクエリーと同じ様に画面右に表示されています

マークは通常のクエリとは異なっています

ちなみに、後でこの「利益」の名前を使用して「関数呼び出し」を行います

これで、カスタム関数は完成です

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