タグ別アーカイブ: グラフ

スピードメーターグラフを作成しよう5~より伝わるグラフにする~

今回から応用編を開始します。

 基本編では、スピードメーターグラフの作成の仕方自体を学びました。

 応用編では、スピードメーターの形を最大限に活かして、伝えたい数字の意味合いを、より臨場感を伴って表現できるようにします。

 この記事の読者の皆さんは、数字をグラフにして表現する機会が多いのではないかと思います。

 会議などで、伝えたい数字の意味合いが伝わらず、はがゆい思いをされた方も、中にはいらっしゃると思います。

 実は、数字には温度があります。伝えるのが難しいケースの1つは、数字の持つ温度を適切に表現する必要がある時です。

 例えば、夏に外から、部屋の温度が25℃に設定されたオフィスに戻ってくると涼しいと感じます。ところが、冬は同じ25℃が温かく感じます。このギャップは、温度を比較する基準が夏と冬とで違うためです。

 実際のビジネスでも、温度の問題は沢山あります。典型的な例が利益率の問題です。利益率が90%の企業と20%の企業を比較してこの温度の問題を考えてみましょう!

 利益率が90%の企業の場合、利益率1%の重みは、1/90です。利益率が1%下がってもあまり深刻な事態になりません。一方、利益率が2%の企業が1%下げた場合を考えてみましょう。利益率1%の重みは1/2となります。90%の企業と比べて、90÷2倍の重みがあります。

 よって同じ1%の違いでも、比較する基準が違うため、利益率が90%と2%の企業では天と地ほど意味合いが違うのです。

 では、グラフでこの温度の違いを表現するにはどうしたらよいでしょうか?

 実は、この応用編では、温度の違いを表現する方法を2つ用意しています!

 読者の中には、”グラフの軸の最小値と最大値を調整すれば温度の違いを表現できる”と考える方もいらっしゃると思います。

 確かに棒グラフであれば、軸の最小値と最大値を変えれば、棒グラフに対する比較基準を変えることができます。

 では、スピードメーターグラフではどのようにしたらよいでしょうか?スピードメーターグラフは円グラフの組み合わせで出来ていて、軸の基準変更は行えません。

 但し、針の振れ幅の最小値と最大値を調整できれば、温度の違いを表現するのに、スピードメーターグラフはぴったりな感じがします!

 実際に、実例で見てみましょう!

 下の画像は、営業利益率が前年の5%から、4%に下がったことを表したグラフです。

 左も右も、何ら違いがあるように見えません。何故なら、グラフの最大値が100%に設定されているからです。

 では、次の画像を見てください!

グラフの最大値が100%でなく、10%で設定されているので、前年との違いが”明確”に分かるはずです。

 このグラフの最大値、もしくは、最小値を変えるのが、温度の違いを表現する1つ目の方法です。

 では、2つ目は何かというと、通常のグラフで言えば、目盛線の役割をするものです。

    例えば、上記の画像内のグラフは3つのパイからできています。これが、通常のグラフで言えば目盛線の役割をするものです。スピードメーター内で言えば、ゾーンと言えるものです。

 安全ゾーン、危険ゾーン・・・その他、ゾーンを活用すれば、色々なストーリーをグラフを通じて語れそうです。

 例えば、上の画像なら、

”今年は営業利益率が4%まで下がりました。但し、来年は○△✕の施策により7.5%まで上げることが可能です。そして、再来年は10%まで上げましょう”

などのような形で、これからの施策と絡めてストーリーを語れます。

 ではここで、これから応用編で解説する内容を少し、前倒しで解説しておきます。

 実は、スピードメーターグラフの最小値と最大値を変更するのは、そんなに難しくないんです。

 下のGIFの動きを見てください!スピードメーターグラフの最小値と最大値を以下のように設定しています。

  最小値:入力値10% ⇒ グラフは0度回転

  最大値:入力値20% ⇒ グラフは240度回転

まるで、グラフの軸を調整したかのように動いているはずです。

GIF1

要は、グラフの参照元のデータを工夫すれば、温度の違いを表現するのは難しくないんです。

 では、次回から応用編の解説を本格的に開始して、数字の持つ温度が熱を持って伝わるようなグラフ作成をしていきましょう!

では6回目でお会いしましょう!

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スピードメーターグラフを作成しよう4~色の変更~

前回は、スピードメーターグラフの下地となるグラフの上に円グラフを追加作成しました。

今回はこの追加された円グラフを、スピードメーターの針部分のグラフにします。

読者の皆さんの中には、スピードメーターの針はどのように動かすのだろう?と不思議に思った方もいらっしゃるかと思います。

実は、とても簡単な仕組みで動いています!まずは、下のGIFをご覧ください。これが、今回作成する針部分のグラフの動きです!

3つパイがあるグラフを作成した後、真ん中のパイだけ表示するようにするので、グラフが針のように見えるのです!

針の動き

<今回解説するグラフのカスタマイズ作業>

1.3つパイがある円グラフを、下地と同じ角度で回転させる

 注)今回はドーナツグラフでなく円グラフで作成します!

2.円グラフの3つのパイの色を調整して、スピードメーターの針を作成する

まずは準備作業として、サンプルをダウンロードして、以下のように範囲を指定して円グラフを作成しましょう

値の合計が360度のところまでをグラフの範囲にするのが、実はこのスピードメーターグラフの作成ポイントです。詳細は後の説明回で解説します。

準備が終わったら、グラフのカスタマイズ作業に取り掛かりましょう!

1.3つパイがある円グラフを、下地と同じ角度で回転させる

➀下地グラフを作成した時と同じように、データ系列の書式設定を表示する

サンプルから円グラフを作成した時には、下の画像のような状態のはずです。

この状態から、円グラフを下地グラフに合わせられるように270度回転させます!

②下地グラフの時と同じ様に、データ系列の書式設定からグラフを回転させる

データ系列の書式設定を表示します!

そして、グラフの基線位置で270度を指定しましょう!

回転した後には以下の状態になっていますか?これで針の位置は下地グラフとあうようにセットできました!

キャプチャ2

2.円グラフの3つのパイの色を調整して、スピードメーターの針を作成する

➀2番目のパイが針に見えるように、2番目のパイ以外は表示されないようにする

円グラフにカーソルを置いたまま、画面上の”書式タブ”を操作して、無駄な塗りつぶしと線を除きましょう

キャプチャ3

キャプチャ4

円グラフは下の画像のようになりましたでしょうか?

②針の色を調整する

次に針の色を好きな色変えるのですが、針がなにせ細いので、指定するのはなかなか難しいです。

ですから針は一旦、大きくしましょう!

キャプチャ5

色を変えることができたら、針の大きさを戻して、針のグラフは完成です

試しに下のGIFのように、”残り1”の値を動かしてみてください。針自体の値は変わりません。残り2には数式が入っていて、3つのパイの合計が360になるように調整されるようにになっています。

<まとめ>

今回は、スピードメーターの針部分のグラフを作成しました。一見、針の作成は難しそうに見えたかもしれませんが、実は、3つのパイがある円グラフの色や線を少しカスタマイズするだけでした。見た目は複雑そうでも中身はとてもシンプルなんです!

次の5回目からは応用編を開始します!では5回目でお会いしましょう!

スピードメーターグラフを作成しよう3~複数グラフ追加~

今回で3回目の解説となります

前回の解説で、スピードメーターグラフの下地となるグラフ(下の画像左)を作成しました。次に、針となるグラフ(下の画像右)を作成するのですが、その前に、今回の回では、グラフの上に、更にグラフを重ねて作成する方法を解説します。

キャプチャ1

本題に入る前に、まずはこれまで説明していなかった点を補足したいと思います。

スピードメーターグラフといっても単純に言えば”円グラフ”です。ですので円の大きさが360度であることを常に意識していきましょう。

キャプチャ4

下地となるグラフも、針になるグラフも、元のデータの合計は360度になるようにグラフの元データを作成していくことが重要です。

基本編では一律に値の小計が360度になるようになっていますが、応用編からは単位が%になったりするパターンも出てきます。そのため、普通に足すと360度にならないパターンも出てきます。こういったケースでも360度に変換してグラフの元データを作成していきます。

それでは本題に入りましょう!

<今回解説するグラフのカスタマイズ作業>

1.グラフの追加

実は、エクセルのグラフには2つのデータ範囲を元にして、グラフを重ねて作成できる機能があるのです。

上記の画像で”追加”の部分を押すと、既にあるグラフに対して、グラフを追加できるようになります。

2.グラフ種類の変更

1.で重ねたグラフは、”グラフ種類の変更”画面でそれぞれのグラフ種類を変更することができます。

この際に、グラフの軸も主軸と第二軸を指定できます。でも、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせたグラフなら第二軸の必要性をイメージできますが、円グラフが2つある場合はどうでしょう?なかなかイメージできないと思いますが、実際に手を動かすなかでイメージを掴んでいきましょう!

まずは、準備作業として下のサンプルファイルをダウンロードして、下地グラフを作成しておいてください

1-9

1.グラフの追加

まずは、下地となるグラフの上で右クリックしましょう!

キャプチャ5

そうすると”データの選択”が出てきますので、それをクリックしましょう!

次の画面では”追加ボタン”が出てくるのでそれをクリックしましょう!次のGIF動画のように、針部分の範囲を指定してグラフを追加することができます(注意:文中の”範囲”とは実際には系列値として表示されています)。ちなみに系列名は値2として指定しておきましょう

gif2

ここまでの操作で、下地となるグラフの上に、更に円グラフ(ドーナツグラフ)が重なりました。

2.グラフ種類の変更

2つ円グラフが重なっている場合は、第二軸の指定が重要になります。なぜなら、第二軸を指定することで、2つの円グラフが表示される順番を変えることができるからです。そして、操作しようとするグラフは第二軸に指定しておきましょう。

第2軸を指定する画面は、グラフを右クリックすると出てきます。

”系列グラフの種類の変更” 画面が出てきたのは確認できましたでしょうか?

キャプチャ6

キャプチャ2

上の画面が出てきたら、値2は円グラフへ変更し、第2軸のところにチェックを入れましょう。こうしておくことで、針となるグラフの作成にとりかかることができます。

<まとめ>

今回はグラフのカスタマイズ方法を2つ解説しましたが、2つの円グラフを重ねた後、第二軸を指定するところがややこしかったのではないでしょうか?ご自身で第二軸の指定を、2つの円グラフ間で何度か、相互に変えてみて、状態がどう変わるのかを試してみてください!

では4回目でお会いしましょう!

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プレゼン資料をワンランクアップ!スピードメーターグラフ・テンプレート

数字を見せる際、単に見せるだけでは組織の目標達成にはつながりません

夏の25℃と冬の25℃では感じ方が違うように、数字はそれぞれ温度を持っているからです

組織の目標として設定する指標(KPI)の中にはB to Cビジネスにおける顧客の注文単価のように、まさに100円~500円、のような細かい単位での管理が生命線になるビジネスもあります

細かい単位の違いを明確に”温度の違い”として伝えるには様々な工夫が必要です

そんな時に、このスピードメーターグラフはうってつけです。数字の持つ細やかな温度の違いを、臨場感を演出しながら明確に聞き手に伝えることができます。

提供するテンプレートも利用場面に応じてグラフの形なども含め、細かな設定できるようになっています *作成演習はこちらから

以下、テンプレートの使い方・概要を3段階で解説します

1.形を決めます

円の度数やパイの数を決めてリンクをクリックすると、該当するシート(度数、パイの数別)に移動します

2.パイの大きさを決める

度数別、パイの数別のシートに移動したら、各パイのサイズを決めます

下の画像の例だと、”120度” で”パイの数が3つ”、のグラフにて

1つ目のパイの大きさは25%(120度*25%=30度)、2つ目は25%、そして3つ目は50%になります

3.初期値と終了値を決める

ちなみに画像のグラフは180度のグラフになります

以上、3つを決めたら後は針を動かす値を入力するだけです!

*詳細はテンプレートの使い方に記載しています!

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白黒の印刷資料で魅せるグラフを作るには?第一回_1/2

会議に備えて、カラフルなグラフを入れた資料を作成したのに、いざ、会議で配られた資料は白黒だった・・・なんて経験はありませんか?fe9d93c78fb3d404f2b248b6bece81f5_s

手間暇かけて色を5色使い分けても白黒で印刷をされてしまうと、データの違いが分からなくなったりします

元々、グラフを白黒で印刷する時にはちょっとした工夫が必要なのです

今回を含め、2回に分けて白黒の印刷でも”違い”を示せるグラフ術を解説していきます

まず最初に色の使い方について解説します

グラフ白黒1

上の例だと、白黒だと商品毎の違いが示せなくなってしまいます

こんな時にはグラフのどこかをクリックした後にエクセル画面上の”デザイン”、”色の変更”を選びましょう!

色の偏向

色の変更の中から”モノクロ”というは配色を選ぶことができます

モノクロ画像

すると色の違いによらず、色の濃淡の違いでデータの違いを示すことができるように自動的に配色がされています

グラフ2

グラフ1つ1つをクリックしながら、色を変更するよりとても効率的です

ぜひ、活用してみてください!