カテゴリー別アーカイブ: コラム

【パワークエリ・チャレンジ】パワークエリを使用して月間スケジュール表を作成する

 今回は、開始時間・終了時間・担当者を可変で指定できる月間スケジュール表(記入用)を、Power QueryM言語の技術をフル活用して作成します

4月1日であれば、13時から15時まで1時間刻みで行が自動で用意されます

担当者も可変にできます

一番のポイントは「開始」「終了」時間の判定列を、日付(1~31)と時刻(0:00~24:00)を網羅した表に作成することです

しかも判定用の列は2列用意します

判定列を作るためには、複数のクエリを用意し、クエリ内にキー列を作成しておくこともとても重要です

キー列:yyyy/MM/dd hh:mm

内容的に大きめの内容なので、今回はポイントの羅列で失礼させて頂きますので予めご了承ください

Power Queryでここまでできるのか?という点を感じて頂けたら幸いです

今回の内容の参考記事についても事前に紹介させて頂きます

複数データの組み合わせ/クエリのマージ~中級編1回目~

見出しがセル結合により2行になってしまっている表をデータ活用1~上級編2回目~

IF式を組み合わせて列作成~上級編10回目

M言語に慣れる_4回目~特殊テンプレート作成~

【パワークエリ・チャレンジ】1列のデータから複数列のテーブルデータを作成する

変換した列の追加~中級編10回目~

ポイント

各種データの用意

今回、想定する作業は以下のスケジュール表から、必要な時間だけ記載され、担当者も記載された完成スケジュール表を作成することです

スケジュール表

下の画像が完成スケジュール表です

完成スケジュール表

実際にPower Queryのクエリを作成する前に、3つの表(日付データ、時刻データ、担当者)を用意します

日付データと時刻データについては、あとで組み合わせて、次のようなクエリ(日付時刻クエリ)を作成します

こちらの結合済みの列は後でスケジュール表とマージして「開始時間」「終了時間」を紐づけるためのキー:yyyy/MM/dd hh:mmになります

日付データ

4月のスケジュールであれば、1日から30日までを用意します

*ホームタブの連続データの作成を活用するとデータの用意が早いです

時刻データ

どの月かは別にして0:00~24:00までを用意しておきます

こちらは固定になります

担当者

こちらも用意します

日付時刻クエリとスケジュール表クエリのマージ

前述のように日付と時刻を組み合わせて作成した日付時刻クエリはスケジュール表クエリとマージして、開始時刻と終了時刻を紐づけます

マージするためのキーはyyyy/MM/dd hh:mmになります

スケジュール表をマージするためにも、事前にスケジュール表はピボット解除を行っておきます

そして日付と時刻の列はマージして「yyyy/MM/dd hh:mm」のキー列を作成しておきます

フィル機能の活用

キー列をもとにして、2つのクエリをマージするとキー列に「開始時間」「終了時間」を紐づけることができます

但し、開始時間と終了時間を判定するには、判定列が1列だけでは不十分です

1列だけだと、終了⇒開始(上の画像だと16時以降)までの時間帯が判定できないからです

フィル機能を使って、下に埋めた列を作成します

2列あれば、残すべき行を特定できます

IF式

判定列を利用して、残すべき行を判定します

判定2が開始の場合には行を残します。判定1と2が終了の場合にも残します

*1の場合は行を残す、0の場合は行を削除する

逆にそれ以外は行を残しません

担当者の紐づけ

担当者はカスタム列を作成してリストで紐づけを行います

*担当者はクエリ名です

リストで紐づけを行い、展開した状態が下の画像の状態です

ピボット処理

担当者の列の内容は、下の画像のように見出しにします

この表の値欄は空欄になるので、ダミーの列を事前に追加しておくのも大きなポイントです

その後にピボット処理を行います

最後に

以上が今回のポイントなのですが、作成していくと、ところどころで並び順が変わってしまうと思います

その際には、インデックス列を追加して調整を図ったください

今回は長文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました

参考までに今回のサンプルファイルを添付します

にほんブログ村 資格ブログ ビジネススキルへ

にほんブログ村

にほんブログ村 IT技術ブログ VBAへ

IF 式の中でOR条件とAND条件を使う方法~Power Query~

IF式の中にOR条件とAND条件を組み入れて、条件式をうまく構築しよう】

Power Queryのカスタム列ではIF式を活用することができます

過去の記事でも紹介しましたが、IF式を複数ネストすることもできます

今回の記事では、IF式の条件式にAND条件とOR条件を使用する方法を紹介します

ポイントは何気にANDORの大文字と小文字の区別です

OR条件

下の画像には「A,B,C,D,E,F,G」のいずれかが含まれた文字列を含む列があります

「A」または「B」の文字列を含む場合には「true」をIF式で出力してみましょう!

If式の中にはText.Contains関数を使用します

このM関数は指定文字が含まれている場合には「true」を出力します

以下が今回のIF式です

if (Text.Contains([文字列],”A”)=true) or (Text.Contains([文字列],”B”)) then true else false

OR条件は小文字の「or」で指定する点は注意が必要です

AND条件

今度はAND条件にて「A」且つ「B」を含む場合には「true」を出力しましょう

今回もAND条件の指定を小文字にする点は注意です

if (Text.Contains([文字列],”A”)) and (Text.Contains([文字列],”B”)) then true else false

これでAとBを両方含む1行目だけがtrueと出力されました

<まとめ>

今回はPower QueryのIF式内にAND条件とOR条件を指定する方法を解説しました

なるべくIF式はすっきり記述した方がいいので、()を入れて条件式を明確にする工夫などを行って行きましょう

にほんブログ村 資格ブログ ビジネススキルへ

にほんブログ村

にほんブログ村 IT技術ブログ VBAへ

【パワークエリ・チャレンジ】1列のデータから複数列のテーブルデータを作成する

【割り算の余りの算出とピボット機能をうまく使ってVBAと同等の処理を行ってみましょう】

今回は下の画像のように1列のデータから、画像右側のようなテーブルデータを作成してみます

ポイント

ポイントは1列のデータの中で、何行目を何列目にするのかを明確にすることです

「何行目を何列目」にするかが分かれば、実はピボット機能(ピボット解除の逆)で簡単にテーブル化が行えます

インデックス列の追加と余りの計算

解説はエディタからはじめさせて頂きます

1列のデータをテーブル化してエディタを開いたら、空白をフィルターで取り除いた後に、下の画像のようにインデックス列を追加します

その後に「何行目を何列目にするか?」の印を作るために「インデックス列」を3で割り、余りを算出します

上の画像にて黄色の箇所をクリックした後、開いた画面で3を指定します

すると次の画像のような列が追加されます

引き算の追加

このままピボットをすると次の画像のようになります

空欄が混じってしまい、テーブルデータとしての規則性がありません

ですので、上の画像の「インデックス列」の代わりに3行毎集約するキーが必要になります

今回は、インデックス列から剰余の列を引くことで、下の画像のように集約キーを作成します

この引き算の処理により山田さんから始まる3行はに、木村さんから始まる行はに集約されます

引き算は余りの計算と同じ「標準」で行います

ピボット処理

では集約キーができたので、ピボット処理にて剰余の列の内容を列名になるようにします

このピボット処理は、「剰余列」を選択した上で、変換タブから行います

 列のピボットをクリックしたら、値列は列1の内容になるように指定してください

 そして、「詳細設定オプションにて」上の画像のように「集計しない」を指定してください

これで列名を変更して、無駄な列を削除したら完成です

<まとめ>

今回は、意外な方法で1列のデータから複数列のテーブルデータを作成しました

改めてPower Queryのピボットなどの機能は素晴らしいと感じました

 今回のケースは特殊であり、実際の使用機会はあまり想像がつかないですが、データ整形の際には断片的に活用できる機会も多いかと思います

ぜひ一度チャレンジしてみてください

にほんブログ村 資格ブログ ビジネススキルへ
にほんブログ村
にほんブログ村 IT技術ブログ VBAへ

【M言語実践】グループ別に累計を集計する方法

過去2回の記事でM言語を実践的に活用する事例を紹介しました

この2回の記事で共通するのは「グループ毎に連番を付与」する技術を使用していることです

今回も「グループ毎に連番を付与」する技術を有効活用して、グループ毎に累計を集計します

M関数のList.FirstNと連番をうまく組み合わせれば、意外と簡単に行えます

ポイント

List.FirstNとは?

List.FirstNは指定されたリストから、指定した条件のリストを作成します

文法としては「=List.FirstN(リスト,条件)」と書きます

例えば、

=List.FirstN(リスト,1)とした場合は1個の値が含まれるリストを作成します

=List.FirstN(リスト,2)とした場合は2個の値が含まれるリストを作成します

このList.FirstN関数の第二引数の条件のところに、グループ別の連番を指定することで、累計の元となるリストを作成します

元データ

今回解説に使用する元データは、下の画像のデータです

こちらのデータのグループに、エディタ内で連番をまずは付与します

上記の画像のようにM関数/Table.AddIndexColumnの第一引数にした列/テーブルは、後でList.FirstN関数の第一引数にしますので削除せずに残しておいてください

List.FirstNによるリスト作成

元データに連番を付与したところで、Power Queryエディタ(以降、エディタ)上で、詳細/テーブルの受注金額をM関数の第一引数、連番を第二引数にしてカスタマイズ列を作成してみます

するときちんとリストが作成できています

では、作成されたリストの中味を見てみます

連番(東京)が1の時には、作成した行の値のみが含まれています

では、連番(東京)が2の時はどうでしょう?

1つ上の行の値と該当行の値がリストに含まれています

今度は、大阪の連番1の場合を見てみましょう!

きちんと大阪の1番目の値/1700000のみが含まれています

作成されたリストの合計

List.FirstNにて各行に作成されたリストは累計の元になるリストになります

最後の仕上げとして、こちらのリストをM関数/List.Sumで合計します

すると、下の画像のように累計が算出されます

<まとめ>

 今回は、M関数/List.FirstNとグループ別の連番を組み合わせて、グループ別の累計を集計しました

今回の集計には、行別のリストが度々登場します

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-74.png

この辺りは、手を動かして直感的に理解していった方が習得が早いと思います

とにかく手を動かして身に付けていきましょう!
にほんブログ村

【M言語実践】顧客の2回目のリピート率を分析する方法

 パワークエリはとても便利ですが、M言語となると使い道がよく分からないと思います

今回は、M言語を使用した実践的な分析手法を紹介したいと思います

私は以前、EC通販会社に勤めていました

 EC通販では顧客の顔が見えないので、データからどういう顧客がいて・どういう行動をしているのか・を分析する必要があります

様々な分析を行いましたが、指標として一番重視していたのが「顧客の2回目リピート率」です

顧客の2回目のリピート率が何故重要なのか?

 これには様々な理由がありますが、一番の理由は2回目のリピート率を少しでも改善すれば、売上が長期的に増加するからです

読者の方でも外食をした際に「あの店には2度と行かない・・・」という経験をした方も多いと思います

 逆に同じ店で2度食事をして、その店に慣れてくると3回目、4回目とリピートする意欲する気が高くなると思います

 ビジネスでも「2回目のリピート」というハードルをクリアすることの意義はとても大きいのです

ただし、普通にエクセルで2回目のリピート率を算出しようとするとかなり面倒です

私は一時期、IF関数で注文回数を付与して、2回目の注文だけシートを分けたりしていました

ましてや、2回目のリピートの有無別に顧客分析をしようとするとかなりハードルが高いです 

ところが、M言語を使えば2回目のリピート率は意外と簡単に算出できます!

ポイント

今回使用するデータは会員別の注文データです

 上の画像では2回目の注文があった会員に黄色の印を付けましたが、2回目の注文があった会員もいれば、そうでない会員もいます

ここからまず、会員番号毎に注文回数を付与します

そして、上の画像の表から次のような表を作成します

上の画像では、その前の画像の表から注文回数を「1回」に絞り込んであります

結果として、会員番号の列は会員番号が重複なく並んでいます

そして「2回目判定用」なる列が追加されています

こちらは注文回数の差分です

こちらの差分は注文回数を「1回」に絞り込んだ場合にはになります

この列が1の会員は2回目の注文があった会員です

 つまり、「2回目判定用」の列の合計を「注文回数」の列の合計で割れば2回目のリピート率が出るという仕掛けになります

(注)尚、上記の画像のデータ以前に注文履歴は無いという前提で解説を行わせて頂きます。ですので、本当は初回の注文ではないのでは?という疑問は持つ必要はありません

注文回数の付与

ポイントで解説した通り、まずは会員番号別に注文回数を付与します

こちらについての詳細については、過去の記事をご確認をお願いします

大きく分けて2つ行うことがあります

1つ目は、グループ化です

会員ID別(会員番号別)に「すべての行」でグループ化を行い、会員ID別にテーブルを作成します

次にカスタム列・作成画面にて、テーブル別にM関数/Table.AddIndexColumnを使用して連番を付与します

すると、注文回数が連番で付与されます

注文回数の差分の算出

こちらについても詳細は過去の記事をご参照願います

この差分を算出するには、パワークエリでは本来は困難な「セル単位」や「行単位」の処理に踏み込む必要があります

ポイントとなるのは、こちらも「連番」です

上の画像のように連番をつけると、連番と画面左の行番号とが対応するようになります

ちなみに、M言語は0ベースなので、実際にM言語で使用する1行目は0になります

ここから波括弧:{}を使用します

波括弧は行番号を表します

例えば、注文回数{0}とした場合には、注文回数列の1行目のデータなります

この波括弧と連番をうまく組み合わせることで、注文回数の差分を算出します

上の画像にて黄色の印を付けた波括弧内は、注文回数の各行の1つ下の行番号の値になります([注文回数]の前のDataは前ステップの名称になります)

つまり上の画像内では、注文回数列をA列だとすると<=A3-A2>と同様の計算が行われています

ちなみに、try~otherwiseとすることでエラーを回避しています

注文回数の絞り込み

 上記まで行ったところで、エディタを確認すると以下の画像のような状態になっています

ここから注文回数の列にフィルターをかけます

こうすれば注文回数の列は「1」のみ、2回目判定用の列は0か1になります

ここまでくれば、後は各列を合計して2回目のリピート率を算出するだけです

合計にはM関数/List.Sum関数を使用します

 上の画像では、2つの合計値を/で割り算をすることでリピート率を算出しています

%の表示にしたい場合には、List.Sum関数でリスト化した内容をテーブル化した上で%に型式を変えます

<まとめ>

今回はM言語の仕組みを使用して、2回目のリピート率を算出しました

2回目のリピート率を算出するのに、主に2つのM言語の技術を活用しました

1つ目はグループ化を通じて各グループ毎に連番を付与する仕組みです

2つ目は注文回数の差分を連番と波括弧を組み合わせて算出する仕組みです

 この2つの技術を通じて、注文回数と2回目の注文有無を0か1で表現できるようにしました

 今回は2回目のリピート率を算出しましたが、本当に大事なのは2回目のリピートがあった会員とそうでない会員との違いは何かを調べることです

 今回作成したクエリを複製して途中のステップを削除すれば、会員番号別に注文の有無が表示できます

 他のデータを会員別に紐づければ、2回目の注文があった会員とそうでない会員の購入している商品の違いなども調べることができるはずです

 更に注文回数の差分を抽出する仕組みを応用して、初回から2回目までの日数なども調べることができます

M言語が本当に有効なのはこういった複雑な分析が必要な場面だと思います

 特にグループ化から連番を付与する仕組みと差分を算出する仕組みは、分析作業にて使う場面も多いと思いますので、しっかり活用できるようにしておきましょう!


にほんブログ村

【M言語実践】グループ別に指定桁数にて連番を付与してIDを設定する裏技

 パワークエリはとても便利です。利用者もどんどん増えていると思います。ただ、パワークエリの言語のM言語となると「何ができるの?」となると思いますので、今回は実践での活用例を紹介したいと思います

今回は下の画像の表にある商品に、「グループ別に1から始まる番号」で採番した連番を付与した商品IDを付けたいと思います

今回のポイント

今回はM言語を使用して「グループ別に連番」を付与した後に、”0”で桁数を揃えます

グループ別に連番を付与する方法については過去の記事を参照してください!

こちらは、グループ化機能とM関数のTable.AddIndexColumnを組み合わせます!!

では「”0”で桁数を揃える」という点について、詳細に解説します

例えば、連番が2の場合には「002」にします。もし10の場合には「010」とします

 こちらの桁数を揃える方法については、「例からの列」機能を活用する方法もありますが、今回はM関数の「Text.PadStart」を使用します

このText.PadStartは下のように使います

=Text.PadStar(文字列,桁数,”補う文字列”)

今回は、”0”を補って下の画像のように指定の桁数にします

上の画像では、”1”に”0”を4つ補って5桁にしています

それでは、今回のポイントとなるM関数/Text.PadStartを解説したところで、実際の商品コードの設定に入りたいと思います

文字コードの付与

 今回は、商品グループがCDの場合には「A」、DVDの場合には「B」という風に、商品コードの一桁目を商品グループで表現します

この場合は、条件列を使用するのが一番、手っ取り早いです

例えば、商品グループ名がCDに等しい場合は、Aを出力するといった具合で条件列を設定します

グループ別連番の付与

こちらについての詳細については、過去の記事をご参照願います

概要だけを解説しますと、まずは「すべての行」にてグループ化を行います

すると、グループ別にテーブルが作成されます

その後、カスタム列・作成画面でTable.AddIndexColumnを追加してグループ別に連番を作成します

上の画面でカスタム列を作成した結果が次の画像です

M関数により”0”を補う

 では、グループ別に連番を作成できたので、グループコード/A,B,Cと連番を組み合わせて4桁の商品コードを作成します

グループコード以降は”0”を補って3桁(全体で4桁)にします

M関数/Text.PadStartは次のように使用します

=Text.PadStart(Text.From([連番]),3,”0″)

1番目の引数で「Text.From関数」にて文字列にするのがポイントです

これで”0”を補った3桁が作成できました

この3桁をグループコード/と結合(列のマージ)させれば4桁の商品コードは完成です

次の画像が4桁の商品コードの完成後です

<まとめ>

今回はM言語を使用して、グループ別に1からはじまる連番を採番した上で商品コードを作成しました

ポイントとしてはM関数/Text.PadStartを使用して”0”を指定桁数になるように補う点になります

M関数を使用しない方法もありますが、M関数を使用した方がミスなく作成が行えます

最後に、グループ別に連番を採番する技術はとても実践的な技術です

ぜひ早めに習得しておきましょう!


にほんブログ村

マスタデータの履歴管理を行う方法

パワークエリの「クエリのマージ機能」はとても便利で、エクセル関数のVLOOKUP関数より使いやすいです

「クエリのマージ機能」を有効活用すれば、参照表(マスタデータ)の活用もかなり手軽に行えます

 今回の記事では、「クエリのマージ機能」に加えて「グループ化機能」も活用して、マスタデータを更に有効に活用できるようにする方法を解説します!

マスタデータの履歴管理

マスタデータには顧客マスタや商品マスタなど様々なものがあります

種類は様々でも、絶対的なルールが一つあります

これは、マスタデータには重複があってはならないということです

もし、マスタデータのIDが「1,2,3・・・」と採番されていたとしたら、IDの1が2つあってはならないということです

ところが、

マスタデータの変更履歴を残す必要がある場合があります

例えば、以下の画像のケースです

顧客マスタ

上の画像は顧客マスタです

ID:1番の中尾さんのマスタデータが重複しています

何故かというと、IDが1番の中尾さんが名古屋市から東京に引っ越ししているからです

ただし、データ管理上は前の住所も残しておく必要があります

この場合は、日付が最新(最大)のもののみマスタデータとして表示できるように工夫する必要があります

では次から、日付が最新(最大)のもののみをマスタデータとして表示する為のポイントを2つ紹介します

ポイント

グループ化

パワークエリにはグループ化という機能があり、重複を排除してグループ化しつつ合計処理などの操作を行えます

 今回はグループ化機能の操作を「最大」で指定して、IDの重複がある場合には「最大の日付」のものを抽出できるようにします

複数キーによるマージ

エクセル関数のVLOOKUP関数では、検索値は一つのみ指定できます

パワークエリのマージ機能では、実は、複数列を照合列として指定できます

手順

マスタデータからクエリ作成

解説は、前述のマスタデータをテーブル化してエディタを開くところからははじめさせて頂きます

エディタを開いたら、下の画像の日付の列が時刻表示になってしまっています

こちらは、日付形式に直しておいてください

日付形式に直したら、クエリ名を「顧客マスタ_元」としてください

グループ化による最大日付の抽出

まずは「顧客マスタ_元」クエリを「複製」してクエリ名を「顧客マスタ_グループ化」に変更してください

この後、ポイントで前述したように下の画像のような設定でグループ化を行ってください

グループ化(最大)

グループ化を行うと、前述のID:1番の方の日付が最新の日付になっているはずです

クエリのマージ処理

 では、次にクエリのマージを指定しますが、下の画像の「新規としてクエリをマージ」を指定して、新規にクエリを作成できるようにします

マージ対象のクエリは下の画像のように「顧客マスタ_元」を指定します

ポイントの章で前述したように、複数の列を照合列として指定します

 今回のケースの場合は、IDだけでなく「日付」も指定することで、IDに重複がある場合には、日付も一致したマスタデータのみをマージできるようにします

下の画像のように照合列として複数列を指定する場合には、Ctrlキーを押しながら指定します

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-106.png

マージする条件を指定した後は、マージされたクエリの中かから「ID列と日付」以外を展開します

マージされた列を展開した後は、列の順番等を整えてください

<まとめ>

 今回は、パワークエリのグループ化機能とマージ機能をうまく組み合わせてマスタデータの履歴管理を行う方法を解説しました

今回の最大のポイントはグループ化機能です

グループ化を行う際に、操作を「最大」にして日付が最大のもののみを抽出できるようにします

今回解説した内容で一点、注意点があります

マージする際に、グループ化した内容は1番目にくるようにしてください

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-114.png

元の顧客マスタは、上の画像にて黄色の印をつけた箇所のように、2番目に来るようにしてください

この順番が狂うと、IDが重複したままになってしまいますので注意が必要です


にほんブログ村

ピボット解除を複数列を軸にして実行する

パワークエリのピボット解除はとても便利ですね

 1つ列を軸として選択 ⇒ その他の列のピボット解除、これだけでデータの縦横/↓→並びを縦縦/↓↓に変更できます

でも、複数列を軸にしてピボット解除をする場合にはどうするんだろう?

実はこちらについてもとても簡単にできます

ピボット解除の前に軸にする列を指定するだけです

今回の内容

ピボット解除を行うデータは下の画像です

上の画像の黄色い箇所、カテゴリー地区を軸にして「4月~6月」を横並びから縦並びにかえます

複数列を軸にしたピボット解除

解説はPower Queryエディターからはじめさせて頂きます

ピボット解除を行う前に、軸にする列を下の画像のように選択しておいてください

複数列を同時に選択する場合には、Ctrlキーを押しながら選択してください

このまま「その他の列のピボット解除」をクリックしましょう

そうすれば、選択した列以外の並びが変わります

<まとめ>

ピボット解除はとても便利です

データの並べ替えによるデータのクリーニングはとても重要な作業です。ミスが起こっては困ります

このピボット解除を適切に実行すれば、データクリーニングの質は格段に向上します

今回の内容はぜひ有効活用して頂きたいと思います


にほんブログ村

パワークエリエディターで行コピーを行う方法

今回は、通常は行列単位で一括処理を行うパワークエリで「行コピー」を行う方法を解説します

行コピーを行うのに「M言語」が出てきますが、M言語の概念に触れるのにいい題材だと思います

ところで、

空のクエリ波括弧:{}を使用したらどのようになるでしょう?

ちなみに、空のクエリはここから起動できます

*データタブ➡データの取得➡その他のデータソースから➡空のクエリ

では、

試しに、下の画像のように空のクエリの数式タブに{2020,2021}と入力してみます

すると、上の画像のように2020と2021の値から構成されるリストが作成されます

このリストを作成する仕組みを行コピーにも活用します

行コピー

では、実際に行コピーをしてみたいと思います

上のデータがエディタに表示されている状態からカスタム列・作成画面をクリックします

そして、先ほどの波括弧:{2020,2021}を入力します

すると、2020と2021の2つの値から構成されるリストが含まれた列が新たに作成されます

次に、下の画像にて黄色く印を付けた箇所をクリックしてリストを展開します

すると、2020と2021の値に対応するように行コピーが作成されます

もし、波括弧の中味を「2020と2021」でなく「2020,2021,2022」とすれば1行でなく2行がコピーされます

<まとめ>

今回は波括弧:{}を使用してリストを作成した上で、行コピーを行いました

とても簡単な内容ですが、パワークエリをサポートするM言語の仕組みに触れる上ではとてもいい内容です

特に、波括弧の使用の仕方に慣れるだけでもM言語の根幹に触れることができます!

ぜひ実際に手を動かして試してみてください


にほんブログ村

Power Queryのステップ数を減らす3つの工夫

 Power Queryの便利な点の一つは、「適用したステップ欄」に操作履歴が自動記録される点です

 ただ、後々のクエリの操作性を考えると「ステップ数」は少ない方がいいですよね?

今回は「ステップ数」を減らす工夫を3つ紹介します!

「変更された型」のステップを減らす

 こちらは、過去の記事でも同じような事を書いていますので、ぜひそちらもご参照ください

 Power Queryでは列のデータ型とヘッダーの自動検出により、「ソース」ステップの次に、必ず「変更された型」のステップが追加されます

 後、途中でステップを追加した際、下のGIF画像のように自動的に「変更された型」が自動追加されることもあります

 一方で、変換タブにはきちんと下の画像のように「変更された型/列のデータ型とヘッダーの自動検出」のステップを追加する機能があります

ですので、変更された型ステップは「自動追加」する必要は必ずしもありません

 クエリを読み込む前、もしくは必要になった箇所に「手動追加」すれば変更された型ステップは減らすことができます

 変更された型ステップの自動追加を止める処理は、エディタ内の下の画像の箇所から行います

 ファイルタブ➡オプションと設定 とクリックすると「クエリのオプション」がクリックできるようになります

 クエリのオプションが開いたら、下の画像のように「型の検出」から3つの選択行えるようになっています

 一番下の「非構造化ソースの列の型とヘッダーを検出しない」にチェックを入れると「変更された型」ステップの自動追加は行われないようになります

同じ処理をまとめて行う

仮に、下の画像のようなデータがあったとします

このデータ内で次のように4つの処理を行ったとします

①フィルター:部門の列で「東京」のみを選択

②列の名前変更:部門➡東京

③フィルター:受注金額の列で「150万以上」のみを選択

④列の名前変更:受注金額➡150万以上

すると、次の画像のように4つのステップが①~④の処理に応じて追加されます

4つのステップが追加された結果、エディタ内は次の画像のようになっています

では、前述の①~④の処理の順番を次のように変えてみます

1.フィルター:①と③

2.列の名前の変更:②と④

すると、ステップは4つでなく2つとなります

 このように、同じ種類の処理をまとめて行えば、ステップ数は減らすことができます

列名の変更

 エディタ内で処理を行った際に、自動的に名前が変更、もしくは追加されている時があります

 上のGIF画像では、列の分割処理を行った際に「部門.1」と「部門.2」という名前が自動的についています

この場合、数式バー内では新たに追加された「列名」は赤字になっています

 では、この追加された「部門.1」「部門.2」の列名を下の画像のようにそれぞれ「」「」に変更してみます

 すると、下の画像のように「名前が変更された列」が適用したステップ欄に追加されています

 このステップについては、数式バーで直接、前述赤字 部分を変更することで減らすことができます

 数式バーで名前を直接・変更すれば、下の画像のように「位置によって分割された列」のステップの後のステップは消えています

<まとめ>

今回は、ステップを減らす為の工夫を3つ解説しました

 特に、最初に紹介した「変更された型」のステップを減らすについては、すぐに削減効果が出ると思います

 後に紹介した2つの削減工夫については、「効率的なクエリ作成」を意識していけば、自ずと「ステップ数の削減」につながるものです

今回の記事を機に、「効率的なクエリ作成」をぜひ意識してみてください

長文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました

にほんブログ村 資格ブログ ビジネススキルへ
にほんブログ村 IT技術ブログ VBAへ

にほんブログ村