パワークエリの「クエリのマージ機能」はとても便利で、エクセル関数のVLOOKUP関数より使いやすいです
「クエリのマージ機能」を有効活用すれば、参照表(マスタデータ)の活用もかなり手軽に行えます
今回の記事では、「クエリのマージ機能」に加えて「グループ化機能」も活用して、マスタデータを更に有効に活用できるようにする方法を解説します!
目次
マスタデータの履歴管理
マスタデータには顧客マスタや商品マスタなど様々なものがあります
種類は様々でも、絶対的なルールが一つあります
これは、マスタデータには重複があってはならないということです
もし、マスタデータのIDが「1,2,3・・・」と採番されていたとしたら、IDの1が2つあってはならないということです
ところが、
マスタデータの変更履歴を残す必要がある場合があります
例えば、以下の画像のケースです
上の画像は顧客マスタです
ID:1番の中尾さんのマスタデータが重複しています
何故かというと、IDが1番の中尾さんが名古屋市から東京に引っ越ししているからです
ただし、データ管理上は前の住所も残しておく必要があります
この場合は、日付が最新(最大)のもののみマスタデータとして表示できるように工夫する必要があります
では次から、日付が最新(最大)のもののみをマスタデータとして表示する為のポイントを2つ紹介します
ポイント
グループ化
パワークエリにはグループ化という機能があり、重複を排除してグループ化しつつ合計処理などの操作を行えます
今回はグループ化機能の操作を「最大」で指定して、IDの重複がある場合には「最大の日付」のものを抽出できるようにします
複数キーによるマージ
エクセル関数のVLOOKUP関数では、検索値は一つのみ指定できます
パワークエリのマージ機能では、実は、複数列を照合列として指定できます
手順
マスタデータからクエリ作成
解説は、前述のマスタデータをテーブル化してエディタを開くところからははじめさせて頂きます
エディタを開いたら、下の画像の日付の列が時刻表示になってしまっています
こちらは、日付形式に直しておいてください
日付形式に直したら、クエリ名を「顧客マスタ_元」としてください
グループ化による最大日付の抽出
まずは「顧客マスタ_元」クエリを「複製」してクエリ名を「顧客マスタ_グループ化」に変更してください
この後、ポイントで前述したように下の画像のような設定でグループ化を行ってください
グループ化を行うと、前述のID:1番の方の日付が最新の日付になっているはずです
クエリのマージ処理
では、次にクエリのマージを指定しますが、下の画像の「新規としてクエリをマージ」を指定して、新規にクエリを作成できるようにします
マージ対象のクエリは下の画像のように「顧客マスタ_元」を指定します
ポイントの章で前述したように、複数の列を照合列として指定します
今回のケースの場合は、IDだけでなく「日付」も指定することで、IDに重複がある場合には、日付も一致したマスタデータのみをマージできるようにします
下の画像のように照合列として複数列を指定する場合には、Ctrlキーを押しながら指定します
マージする条件を指定した後は、マージされたクエリの中かから「ID列と日付」以外を展開します
マージされた列を展開した後は、列の順番等を整えてください
<まとめ>
今回は、パワークエリのグループ化機能とマージ機能をうまく組み合わせてマスタデータの履歴管理を行う方法を解説しました
今回の最大のポイントはグループ化機能です
グループ化を行う際に、操作を「最大」にして日付が最大のもののみを抽出できるようにします
今回解説した内容で一点、注意点があります
マージする際に、グループ化した内容は1番目にくるようにしてください
元の顧客マスタは、上の画像にて黄色の印をつけた箇所のように、2番目に来るようにしてください
この順番が狂うと、IDが重複したままになってしまいますので注意が必要です
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