カテゴリー別アーカイブ: Excellentな分析術

ABC分析をエクセル力で改善する6

今回はこれまでのまとめから始めましょう

①実用的なエクセル力とは

ビジネスに修正はつきものです。エクセル機能を組み合わせて、修正にも即時に対応できるような能力を身に付けましょう!

ABC分析をエクセル力で改善する2

②分析にも修正はつきものです

分析の肝の一つは区分です。ABC分析は区分を最少単位で行います

但し、試行錯誤はつきものです。どこからどこまでを1つの区分とするかを変える度に、エクセルの処理を最初からやり直していたら効率が悪すぎます。VLOOKUP関数とPERCENTILE.INC関数をうまく組み合わせて修正作業を自動化しましょう

ABC分析をエクセル力で改善する4

③表への追加にも対応できるようにしておきましょう

従来のABC分析の場合にはデータを追加した場合には、並べ替え作業からやり直しです。②とあわせてテーブル機能も組み合わせて自動化しておきましょう

ABC分析をエクセル力で改善する5

④ABC分析は質と量の公式であらわせます

ABC分析において重要なのはビジネス上優先すべき質の高い区分(グループ)を特定する観点です

ところが、従来の方法だと質と量の公式の観点が分かりにくいのです

②で述べたVLOOKUP関数とPERCENTILEINC関数をうまく組み合わせて、質と量の双方向からランク付けを行っていきましょう

ABC分析をエクセル力で改善する5

 

さて、今回からこれまでとは違う方向の内容に取り組んでいきます

まず、下の画像を見てみてください

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Aランクがどの位の質と量のなのか、理解できましたか?

それに質の78%と98%は手で入力しています

これはとても非効率です

次の回からはピボットテーブルと連動した双方向グラフについて解説します

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ABC分析をエクセル力で改善する5

前回は再び、ABC分析の肝に触れました

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今回はこの点をもう少し詳細に解説するところからはじめましょう

 

1.分析の公式の一つに”質x量”があります

9

上記を質x量の公式にあてはめると

上位20%の商品⇒量は全体の20%(量)だが、売上の80%を占める(質)

となります

従来のABC分析の手法ですと、この質と量の関係が見えてこないのです

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では、ここからVLOOKUP関数とPERCENTILEINC関数とテーブル機能を組み合わせると、この量と質の関係が見えてくるのかを実際の使用例でみてましょう

2.VLOOKUP関数とPERCENTILEINC関数とテーブル機能を実践的に組み合わせる

まず、”Data”のシートに加えて”ABC設定”の状況を管理するシートを用意しておきます

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そして、前もってDataシートにある表はテーブル化しておきましょう

テーブル化しておくことで、表に値を追加しても数式が自動的にセットされます

(詳細は以下のページなどを参照してください)

テーブルを作成しよう~数式を自動入力~

ABC設定のシートは以下の様な構成になっています

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そして、DataシートのVLOOKUP関数(近似値で検索)と連携させておきます

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ここまで設定しておけば”量x質”の公式による観点でのランク設定が自由自在に行えます

(下の表はDataシートの内容ですが、上から2行目/販売個数:2,2136行目:1,876のランクが上の操作と連動して変わっています)

Gif5

データを追加した時もランク付けが自動的に行われます

Gif8

もし、ABC、3つのランクでなく、ABCD、4つのランクにしたい時もCランクの設定個数を変えれば自動的に作成できます

Gif10

これで大分、実践的になってきました。次回はこれまでの話しを少しまとめた上で、次の段階にいきたいと思います

ちなみに実際にサンプルを動かしてみたいという方は以下をご利用ください

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ABC分析をエクセル力で改善する4

前回はABC分析のデメリットに触れました

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今回から何故、この2つのプロセスが問題かについての解説と、克服方法について解説します

1.並び変えは時間の浪費を生む

下の図は”販売個数”に従って

⇒構成率を計算⇒累計・構成率を計算⇒ランク付け(IF関数でランク付け)

を行っています

この表に販売個数/5,000を付け加えたとします

(商品別に行が構成されているという前提です)

そうするとどうなるでしょう?

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再び同じ作業を繰り返した後に、Aランクが増えます

Aランクが微妙に多すぎたりします

すると、Aランクの基準を変えたくなります、つまり、IF関数の条件を変更するということです、

そしてBランクも・・・

これでは時間の浪費です

もっといい方法がないものでしょうか?

ここがエクセル力の見せどころです

<エクセルの基本機能を組み合わせて実務的な活用をする力>

2.VLOOKUP関数とPERCENTILE.INC関数、とテーブル機能を組み合わせる

ここで違和感を感じる人がいるかもしれません

”何故VLOOKUP関数”なのか

”PERCENTILE.INC関数”とは?

では次のファイルで上記2つの関数のエクササイズをしてみましょう!疑問が解けると思います

目次から”VLOOKUP関数&Percentile関数”のシートに飛んでください

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まず、VLOOKUP関数ですが、70を検索値としてEからF列にある表を参照していますが、エラーになっています

何故なら、表に70が無いからです

では参照方法を0から1に指定し直したらどうでしょう?

Gif3

検索値を超えない範囲(今回で言えば70を超えない範囲)で最大の値を参照します(今回は10)

つまり、近似値で検索をするのです

このVLOOKUP関数の近似値検索を利用すれば、ランク付けの基準を変える時に、

数式を変更しなくても、

並び変えを行わくても、

表を変えさえすれば、ランク付けは変更されます

他の言い方をすると、累計構成率ではなく、直接的に値(今回の事例では”販売個数”)を参照してランク付けが行えます

VLOOKUP関数の詳細な使い方は以下をぜひ参照してください

VLOOKUP関数とIF関数だけを使い倒す#1

次にPercentile関数です

下のGIF画像の右側にある値の一覧の中から、指定した基準の値を拾ってくくれます

例えば50%と指定すれば1から10の間で上位50%に位置する値を拾います

Gif4

数式の指定の仕方自体はとてもシンプルです

参照する値の範囲を指定し、加えて基準を指定します

(ここで80%を20%に置き換えていることにご注意ください)

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PERCENTILEINC関数の概要が明確になってきたと思います

VLOOKUP関数とPERCENTILEINC関数を組み合わせることで、

ABC分析の肝・・・例:上位20%の商品で売上の80%を稼いでいる

この肝に準じて表作成を自動的に行っていけるのです

 

次回は再びこの肝から解説をはじめて、より詳細に解説を行っていきます
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ABC分析をエクセル力で改善する3

ところABC分析とは何でしょう?

辞書を見ると下記のように記述がありました

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https://kotobank.jp/word/ABC%E5%88%86%E6%9E%90-1360
要はビジネスの対象を3つに分け、対策が効率良く打てそうなところを抜き出すということです

背景には20-80%ルールがあり(売上の8割は2割の顧客で稼いでいるなど)、とにかく対象を3つに分けてしまうのがポイントです

分析の本質はこのグループ分けです

グループ分けをすることで比較が行い易くなり、優先順位が決めやすくなります

ABC分析を行うメリットは”優先順位を決めやすい”というところにあると思います

ビジネスにはコストと時間がつきものです

いくら時間をかけて分析して立派な実行計画を経てても実行できなかったら意味がありません

その点、ABC分析では、量と質の観点からシンプルに優先順位を決めることができます

一方、ABC分析のデメリットとは何でしょう

それはABC分析を実施する過程にあります

ABC分析を実施するに当たっては、以下の2つのプロセスを踏みます

1.データを降順(売上金額など)で並べ替える

2.データにランクを付ける

この2つのプロセスが何故、デメリットになるのかを次回、詳細に解説します

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ABC分析をエクセル力で改善する2

前回、エクセル力という言葉に触れましたが、今回はある実例をもとにしてエクセル力とは何かを考えてみたいと思います

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例えば、以下のようにA、B列に10万行データがあったとします

そして、あなたは上司からこれから毎月、A列、B列ともに値が”A”の時、

解の列に◯を入力するように言われたとします

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しかも、VBAでの処理なしです

あなたはもしかして、目でA列とB列にAがあるのを確認して解の列に◯を入れますか?

ちなみにこれは実際に体験した話しで、上司が毎月、人力で毎月処理していたのを引き継ぐことになったのです

 

詳細は他の記事に譲りますが、ここで下のようにIF関数で処理するのももちろん悪くありませんし、

IF(A2=”A”,IF(B2=”A”,”◯”、”✕”),”✕”)

上のIF関数の中にANDを入れるのも悪くありません

 

ここから、エクセル力という話が出てきます

もし、上司に

「やっぱりA列、B列、ともに”B”の時に◯にしてくれ」

とルールを変更された場合にはIF式を変えなくてはなりません

(ちなみに過去との比較の為、やり直さなくてはいけない、という想定です)

そうなると、もの凄い莫大な時間がかかってしまいます

 

では、どうするかというと、複合キーとVLOOKUP関数とテーブル機能を組み合わせておくのです

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もう少し詳細を解説するとまず、テーブルを作成した上で

1.AAに◯という対応表を作成しておき

2.C列に列を挿入し、A列とB列を&で組み合わせた複合キーを作成します

3.そして、解の列にVLOOKUP関数を挿入し、

複合キーを対応表の中から検索するようにします

GIF4

(上の図ではIFERROR式でエラーになった時は空白が入るようにしてます)

こうしておけば、対応表を変えるだけで過去の修正が効きます

しかも、テーブル機能を活用すれば、1行に数式を入れれば全ての行に数式が入ってしまいます

 

これが本篇で定義するエクセル力です

ビジネスの実務では変更や修正はつきものです

しかも、時間が無いと嘆いても誰も待ってはくれないのです

そこで、

エクセルの活用方法も”変更”や”修正”などに備えた実践的な活用方法が必要なのです

<エクセルの基本機能を組み合わせて実務的な活用をする力>

この力を次回から、実際のABC分析の例をもとにして身に着けていきましょう!

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ABC分析をエクセル力で改善する1

https://analytic-vba.com/%e3%82%a8%e3%82%af%e3%82%bb%e3%83%ab%e5%88%86%e6%9e%90/post-2018/世の中に山とある分析方法の中で、一番多く有効活用されているのはABC分析だと思います

但し、何事にもメリット・デメリットがあります

この講座ではABC分析のメリットを生かしつつ、デメリットを克服し、実践的な活用を目指します

そして、

”この”実践的な活用ができるように手法を改善していく過程を通じて本質的な”エクセル力”を習得することもあわせて狙っていきます

ちなみにこの講座は”ストアカ”で実際に実施した講座のWeb版になります

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受講者の方のフィードバックを基にしてエッセンスが凝縮された講座にしたいと思っています

今回は1点、先行してポイントを1点、解説したいと思います

ABC分析に限らず、他の分析でも同様に”如何に効率よくデータを区分するか”というのが大きなポイントになります

そして、必ず、”どの範囲で区切るか”という試行錯誤が起こります

その試行錯誤が簡単に行えるとと、ても分析作業の効率が飛躍的に向上します

下の例はデータの全体をある指標を基にして上位から区分し、各データにA、B、Cとラベルを付けているところです

詳細は後の回で後述しますが、従来のABC分析の手法だとラベルをつけるのに複数のステップが必要で、データが1つ追加されただけでも最初からやり直しになります(下の例では販売個数10,000のデータが2つ追加されていますが、自動的にランクAのラベルが付いています)

Gif1

この講座では、この試行錯誤を簡単な3つの仕組みを組み合わせるだけで簡単に行えるようにします

そして、最終的には下のようなエクセルダッシュボードを作成します

GIF2

従来のパレード図より、ABCランクの違いが明確に分かるようになり、実践的な情報を提供できるようになります!

それではまた次回

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VLOOKUP関数とIF関数だけを使い倒す#4-1

【問題】

昨日の続きです。IF関数とIFERROR関数を組み合わせて次の条件で注文を3つに分類してください

1.会員住所=東京 且つ 注文商品=日本酒

2.会員住所=神奈川 且つ 注文商品=ウィスキー

3.その他、上記以外

キャプチャ#4_3

【回答】

複合キーを作るところまでは前回と一緒です

キャプチャ#4_1

そこからVLOOKUP関数の参照用に複合キーを検索値とした番号(1,2)の対応表を作成します

キャプチャ#4_2

既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、表にない複合キーの時にはエラーになってしまいます。

そこで”エラー”が出る点をうまく利用します

IFERROR関数ならば=IFERROR(関数、左記関数がエラーの場合の値)と指定できるので、エラーの場合は”3”と出力するようにします

IFERROR関数はとても便利なので有効活用しましょう!

 

VLOOKUP関数とIF関数だけを使い倒す#4

【問題】

分類の問題です。IF関数のみで以下の条件で注文を3つに分類してください

1.会員住所=東京 且つ 注文商品=日本酒

2.会員住所=神奈川 且つ 注文商品=ウィスキー

3.その他、上記以外

*但し、IF関数の中に組み入れる(ネストする)IF関数は1つまでとします

【回答】

複雑そうな問題に見えますが、いきなり解決しようとせず、新たに列を挿入してそこに何を入れるかを考えましょう

答えは”&”を活用して住所と注文商品を組み合わせた複合キーを作成するのです

そして、複合キーをIF関数で分類していくのです

(複合キー)

キャプチャ#4_1

(IF関数による分類)

キャプチャ#4_2

VLOOKUP関数とIF関数だけを使い倒す#3

【問題】

OR条件による抽出の問題です。”IF関数のみを使用し”、会員の住所が”東京”か(OR)、注文商品が”日本酒”か?いずれかの条件に当てはまる”注文番号”の個数をカウント、及び、抽出してください*最後はテーブル機能を活用してください

キャプチャ#3_1

【回答】

IF関数による0か1の判定及び小計列を有効活用します

1.IF関数で東京、もしくは日本酒の場合は1を出力するようにする

2.1で出力する価を小計する列を作成する

3.2で小計した値を1以上か?、もしくはそうでないか?を判定する

加えてテーブル機能により、列の集計を行います。

以下、詳細を解説します

・1について

キャプチャ#3_2

住所(C列)、注文商品(D列)の横に列を挿入し、IF関数で条件に該当するならば、”1”をそうでなければ”0”を出力するようにする

・2について

キャプチャ#3_3

1で出力する価をG列で小計しておく

・3について

キャプチャ#3_4

G列で小計した値が1以上であれば、”1”を、そうでなければ”0”を出力するようにします。この出力された1を集計(1を合計)、もしくは1の注文番号をフィルターで抽出すればそのまま”回答”になります

ここからはテーブル機能について説明します

テーブル機能はエクセルでデータを管理するのに、”痒いところ”に手を届くほどまで”データを扱いやすく”してくれる機能です

まず、管理したいデータのどこかのセルにカーソルを置き、Ctrl + Tを押します

#1GIF_2

次に、

デザインタブで、集計行にチェックを入れてください

キャプチャ#3_5

すると列の下に▼マークのボタンが出てくるので”合計”を選択します

#1GIF_3

ここではテーブル機能を紹介しきれませんが、とにかく便利な機能なので皆さん研究してみてください

サンプルで確認したい方は以下↓からダウンロードできます

VLOOKUP関数とIF関数だけを使い倒す#2

 

【問題】

IF関数を使用して、重複している会員NOからユニーク(重複していない)な会員番号の個数と会員番号を抽出する

*会員番号の個数はステータスバー(エクセル画面の下)で確認するものとする

キャプチャ#2_4

キャプチャ#2_5

 

【回答】

”値が重複している”、ということは値を昇順、もしくは降順で並べ替えると重複している価は”塊”で現れます。この性質を活かして3つのステップで重複しない値を”カウント”、”抽出”します

1.会員NOを並べ替え

2.IF関数を使用し、1行上と”一致していない”場合は1を出力する(逆に1値している場合は0を出力する)

3.IF関数を入力した列にカーソルを置く(ステータスバーでカウント)、フィルターで1のみを抽出(抽出)

*1の合計は自働的に該当する値の個数になります

キャプチャ#2_1

ちなみに下の画像のように合計がエクセル画面下に表示されない時には右クリックして合計にチェックを入れましょう

キャプチャ#2_2

キャプチャ#2_3

サンプルファイルで実際に確認したい人は以下↓をダウンロードしてください