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Power BIによるバー・チャート・レースの作成方法

 最近、YOUTUBE動画などで動くグラフである「バー・チャート・レースの作成の仕方」を紹介する動画をよく見かけます

実は無料のPower BI Desktopでもバー・チャート・レースを作成できます

下のGIF画像は日本の広告費の年間推移をバー・チャート・レースにしたものです

*出典:メディアレーダー:https://media-radar.jp/contents/meditsubu/ad_cost/

バー・チャート・レース

バー・チャート・レースだと「インターネットの広告費」が「テレビ」を追い抜く様子がリアルに描写されます

しかも、このバー・チャート・レースはかなり簡単に作成できます

ところで、

このバー・チャート・レースの良さはとはなんでしょうか?

私は数字の背後にあるストーリーを実際の動きで体感できる点だと思います

この点ついては、先日紹介したバブルチャートも同様です

グラフをしばらく眺めて「数字の背後で何が起こっているのか?」をわざわざ解釈する必要がありません

直観的に数字を理解できます

ですので、プレゼンなどの数字を説明する場でもこのバー・チャート・レースはとても有効です

作成方法も前述のように簡単です

ただ悩みはPower BI Desktopの機能が多すぎことと、バー・チャート・レース独自のクセがあることです

一方で、Power BI Desktopはスマホのように直感的に操作ができるメリットもあります

 このブログ記事ではPower BI Desktopの機能についてはあまり細かく触れずに、「直観的に操作するための手助けになるようなポイント」に絞って解説を行いたいと思います

Power BI Desktopとは?

手軽にデータを取得・編集・加工してデータ分析・可視化を行えるツールです

データを一元管理できる点や操作が直感的に行える点がとても素晴らしいです

このPower BI Desktopで最初に行うことは、データを取得することです

とにかく「取得」を行ってしまえば、ある程度はPower BI Desktop内でなんとか変換処理が行えてしまします

*今回の記事ではPower BI Desktop内での変換処理については解説を行いません

今回のポイント

バー・チャート・レースの作成方法自体については、そんなに難しくはありません

一番重要なのは、バー・チャート・レース用のデータを作成することです

バー・チャート・レースの作成には、次の3つのデータ項目が必要です

*HEXコードの指定により色の管理も可能ですが、今回は省略します

種類/Name ⇒上のGIF画像で言えば、テレビやインターネットなどの媒体です

/Value ⇒ 種類別の数字データです

日付/Period ⇒ Power BI Desktop内で年や月単位で集約して使用されます(つまり、値も年や月で集約されます)

 本来であれば、Power BI Desktop内で「Power Queryエディタ」と同じ画面が使用できるので、こちらで変換処理は行いたいところです

 今回はバー・チャート・レース自体の解説に絞りたいので、ワークシート内で既に変換が行われてある形で解説を行っていきたいと思います

事前準備

データの準備

 前述のバー・チャート・レースのGIF画像では、「メディアレーダー」様の広告費の推移データを使用させて頂きました

こちらのデータをパワークエリによりダウンロードさせて頂きました

こちらのデータについては、Power Queryエディタ内でピボット解除を行って下の様な形にしてあります

列は「媒体」「年」「広告費」の3つです

インストール

Microsoft社のサイトでアプリのダウンロードが行えます

バー・チャート・レース用アプリ/アドイン入手

 こちらについては詳細は後述しますが、Yahooなどの一般的に流通しているドメインでないメールアドレスが必要です

データの取込み

インストールしたPower BI Desktopを開くと下の画像の画面が開きます

上の画像の赤印が付いている箇所、「データを取得」をクリックします

そして、次に開いた画面で「Excelブック」を指定します

その後、取得するファイルを指定します

取得するファイルを指定した後は、ナビゲーター画面にて取得するシートを指定します

シートを指定したら、画面の下で「読み込み」ボタンをクリックします

読み込み処理を行った後は、レポート画面*の右に取得したデータが反映されます

*レポート画面:下の画像の一番上の画面です。一つ下はデータビュー画面です

専用ヴィジュアル・アプリ/アドインの準備

 Power BI Desktopをインストールしてアプリを開いたら、アプリ内で更にバー・チャート・レース専用のアプリ/アドインを入手します

 下の画面は前述のように「レポート画面」といいますが、レポート画面の右側にある「・・・」マークをクリックすると入手用の画面が出てきます

・・・」マークとは下の画像の黄色に記した箇所になります

 こちらのマークをクリックすると「その他のビジュアルの取得」がクリックできるようになりますので、そちらをクリックします

ここからは登録や認証処理が必要です

 登録するのにメールアドレスが必要なのですが、@yahooなどの一般的に流通しているものでなく、会社などで独自にドメインを取得しているものに限られますので注意が必要です

登録と認証が済んで、以下の「Power BIのビジュアル」画面がでてきたら「Animated Bar Chart Race」と検索してみましょう!

「Animated Bar Chart Race」が表示されたら、入手処理を行いましょう

するとレポート画面にて次のように「Animated Bar Chart Race」が表示されます

バー・チャート・レース作成

では、表示された「バー・チャート・レース(Animated Bar Chart Race)」のアイコンをクリックしましょう!

すると、バー・チャート・レースの設定項目が表示されます

 上のGIF画像内で、バー・チャート・レースのアイコンをクリックした後に「Name」「Value」「Period」の3項目が表示されるのに注目してください

その後は、右にある取得したデータから「ピボットテーブル」の要領で必要項目を設定します

Nameには横棒にする内容である媒体を、Valueには広告費、Periodには年(日付)を設定します

上記の3つを設定すると、自動的にバー・チャート・レースが動いていきます

バー・チャート・レースをクリックすると、また最初からの動きを開始します

表示の調整_1/2

バー・チャート・レースは作成方法自体は簡単なのですが、様々なクセがあります

その一つが、下の画面のように様々な内容がごちゃ混ぜで表示される点です

このように表示される理由は、Periodに設定した年(日付)が2015などの年ではなく日付単位で認識されていることです

ですので、画面右下が「」と表示されています

Periodの設定欄を見ると下の画像のようになっています

こちらについては、年の下の項目を全てをして削除すれば表示が「年」単位になります

広告費も年単位で表示されるので、適切な形でバー・チャート・レースが表示されます

表示の調整_2/2

デフォルトだとバー・チャート・レースの表示数は「10個」になります

こちらの表示数を調整する時には、こちらのボタンをクリックします

そして、「topN」の数を5個に変更します

すると表示数が変わります

表示数の他にもタイトルや背景などもこちらの画面で変更できます

<まとめ>

今回は、動くグラフである「バー・チャート・レース」の作成方法を解説しました

 本来はPower BI Desktopの機能を詳細に解説すべきですが、機能が多いため、バー・チャート・レースを手っ取り早く作成する方法を解説させて頂きました

とにかくバー・チャート・レースの作成元になるデータを、どのように作成するのかが一番重要なポイントです

こちらについては、バー・チャート・レース独自のクセと関連があります

こちらのクセについては、また別な記事で紹介していきたいと思います

もし、データを変更してもバー・チャート・レースに反映されない場合には、一旦はバー・チャート・レースを削除したり、ファイルを一旦閉じるなどの作業をしてみてください


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予実対比のグラフを見やすくする

今回は積み上げ棒グラフを使用した予実対比のグラフを見やすくする「ちょっとした工夫」を紹介します

通常だと、下の画像のように棒グラフを実績と予算で並べる形になります

今回は予算に対して実績が「超過」と「未達」の場合で表示する色を変えます

とにかく棒グラフの表示数を減らしてシンプルに魅せます

ポイント

超過の場合(実績-予算がプラス)と未達(実績ー予算がマイナス)で表示を分けるのと、折れ線グラフの線を透明にしてマーカー(予算)だけ表示するのがポイントです

超過の場合

実績が予算を上回っている場合は、一番下のグラフの表示は「予算額」です

ちなみに、下の画像のグレーの横棒は予算額です

予算額の横棒の下が予算額です

未達の場合

実績が予算を下回っている場合は、一番下のグラフの表示は「実績」になり、赤の部分が「予算-実績」になります

折れ線グラフ

予算額を示す折れ線グラフの線は非表示(透明)にします

データの作成

グラフの表示は見た目は紺色と「薄い青」か「赤」かの2つだけですが、4つの項目をデータの元とします

画像上で一番左にある項目の「予算」はそのままだけですが、基本、超過、未達にはIF関数を入れます

基本

実績が予算を上回っていたら「予算のセル」、そうでない場合は「実績のセル」を表示できるようにIF関数を入力します

超過

実績が予算を上回っていたら「超過額」を、そうでなければ空欄を表示するようにします

未達

実績が予算を下回っていたら「未達額」を、そうでなければ空欄を表示するようにします

グラフ作成

上で作成したデータを基にして積上げ棒グラフを作成すると下の画像の状態になります

この一番下/青の箇所はグラフ種類を変更します

次に開いた画面で「折れ線グラフ」にします

折れ線グラフ線は「線なし」にします

マーカーについては、下の画像のように種類とサイズを調整します

後は、グラフの色を調整して終了です

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-1.png

<まとめ>

今回は、積上げ棒グラフを工夫して予実対比を見やすくする方法を解説しました

今回紹介したグラフは「グラフのシンプル」さを追及した一つの形であり、他にも調整方法があるので、好みに合わせて工夫していくと良いと思います

大事なのはシンプルに表現することです

シンプルさを追及することは忘れないようにしましょう!


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ドロップダウンリスト活用による入力の省力化

以前、エクセルのレッスンをしている時に、ある企業でマネージャーをしている方から相談を受けました

「部下の行動を記録して報告する必要があるが、入力を省力化したい」という内容でした

文章の入力を省力化する場合には、固定文章をマスタ化した上での「ドロップダウンリスト」の活用をお勧めします

エクセルシートに文章を記入するのではなく、予めリストを作成しておいた「短い文章」の中から「選択」をすることにより、文章の記入業務を効率化します

*報告は自由フォーマットという前提での解説です

マスタ化

例えば、今回のマネージャーの方のケースで言えば、こんな風に入力していました

このケースの場合は、担当者と遅刻などの特筆事項は「固定的」な内容なので、下の画像のように別表を作成して管理しておきましょう!

ドロップダウンリスト作成

まずはデータタブから「データの入力規則」をクリックしましょう!

次に、入力値の種類から「リスト」を選択しましょう

上の画像のリストを選択した後は、「リストにする範囲/マスタ」を指定しましょう

これで、ドロップダウンリストが完成です

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-87.png

作成したドロップダウンリストはコピーもできます!

<まとめ>

今回はドロップダウンリストの作成により、文章の記入業務を効率化する方法を解説しました

ドロップダウンリストは簡単な操作で作成でき、コピーをすることもできます

ドロップダウンリストは入力時やエラー発生時のメッセージも設定できるので、そちらの機能もあわせて活用していくことをお勧めします


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【M言語実践】グループ別に累計を集計する方法

過去2回の記事でM言語を実践的に活用する事例を紹介しました

この2回の記事で共通するのは「グループ毎に連番を付与」する技術を使用していることです

今回も「グループ毎に連番を付与」する技術を有効活用して、グループ毎に累計を集計します

M関数のList.FirstNと連番をうまく組み合わせれば、意外と簡単に行えます

ポイント

List.FirstNとは?

List.FirstNは指定されたリストから、指定した条件のリストを作成します

文法としては「=List.FirstN(リスト,条件)」と書きます

例えば、

=List.FirstN(リスト,1)とした場合は1個の値が含まれるリストを作成します

=List.FirstN(リスト,2)とした場合は2個の値が含まれるリストを作成します

このList.FirstN関数の第二引数の条件のところに、グループ別の連番を指定することで、累計の元となるリストを作成します

元データ

今回解説に使用する元データは、下の画像のデータです

こちらのデータのグループに、エディタ内で連番をまずは付与します

上記の画像のようにM関数/Table.AddIndexColumnの第一引数にした列/テーブルは、後でList.FirstN関数の第一引数にしますので削除せずに残しておいてください

List.FirstNによるリスト作成

元データに連番を付与したところで、Power Queryエディタ(以降、エディタ)上で、詳細/テーブルの受注金額をM関数の第一引数、連番を第二引数にしてカスタマイズ列を作成してみます

するときちんとリストが作成できています

では、作成されたリストの中味を見てみます

連番(東京)が1の時には、作成した行の値のみが含まれています

では、連番(東京)が2の時はどうでしょう?

1つ上の行の値と該当行の値がリストに含まれています

今度は、大阪の連番1の場合を見てみましょう!

きちんと大阪の1番目の値/1700000のみが含まれています

作成されたリストの合計

List.FirstNにて各行に作成されたリストは累計の元になるリストになります

最後の仕上げとして、こちらのリストをM関数/List.Sumで合計します

すると、下の画像のように累計が算出されます

<まとめ>

 今回は、M関数/List.FirstNとグループ別の連番を組み合わせて、グループ別の累計を集計しました

今回の集計には、行別のリストが度々登場します

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-74.png

この辺りは、手を動かして直感的に理解していった方が習得が早いと思います

とにかく手を動かして身に付けていきましょう!
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バブルチャートをBIツールで見やすくする

 企画の仕事をしている時、バブルチャートは3つの値(X値、Y値、そしてバブルの大きさ)で関係性を表せるのでかなり重宝していました

但し、バブルの数が多いと下の図のようになってしまい、一目で見る気が失せてしまいます

ところが、Power BI Desktopを使うと、バブル数が多くてもシンプルに表現できますので、ぜひ概要だけでも紹介しておきたいと思います

Power BI Desktopインストールとデータ取得

今回の記事では詳細は省かせて頂きますが、インストールはこちらから行います

インストールしたPower BI Desktopを開くと上の画像のように「データを取得」ができるようになります

下の画像が今回使用するデータです

「データを取得」をクリックすると、データの取得先のファイルおよびシートを指定できます

バブルチャートの作成

データを取得すると画面右に取得した内容が列別に表示されます

その後は、バブルチャートのマークをクリックします

するとバブルチャートの設定を行えるようになります

こちらはピボットテーブルの感覚で行えます

取り込んだ列を該当箇所にドラックしていくだけです

通常のバブルチャートであれば、ここから軸の最大値等を調整して作業終了となります

ここから「再生軸」に月データを設定します

再生軸を設定すると、バブルチャートの左下に再生ボタンが設定されます

再生ボタンを押すと、再生軸に指定した月別にバブルが表示がされていきます

ちなみにバブルをクリックすると、次の画像のように月間の関係性が見えるようになります

<まとめ>

今回はPower BI Desktopを使用してバブルチャートをシンプルに表示する方法を解説しました

通常のバブルチャートの設定に「再生軸」という軸を加えて、再生軸別に表示ができるようになります

グラフを動画で表示することになるので、数字の背後にあるストーリーも分かり易くなります

データの世界もまた新しい次元にきたという感じがします

今後は、このPower BIによるデータビジュアライゼーションの世界を深堀していきたいと思います


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グラフの選択について

グラフはダッシュボードの中でも重要なコンテンツのひとつです

グラフと言っても種類は無数にあります!

 グラフについては何を選択するかについては、ケースバイケースとしか言いようがない面もありますが、そうはいってもある程度の目安はあります

グラフを選択する際には、まずは「何を示したいか?」を考えて見ましょう

そうすれば、何を選ぶかについてはある程度絞り込まれてきます

上の図のように、示したいものは大きく分けて4つに区分されます

・関係性

・分布

・構成

・比較

示したいものが、この4つの内の何になるかが明確であれば、選択すべきグラフ種類を絞り込むことは可能です

関係性

散布図

2つの軸を基にして関係性を点で表します

バブルチャート

2つの軸に加えて、円の大きさでもう一つの軸を表示します

分布

棒グラフ-ヒストグラム

全体的な分布を表示します

散布図

2軸で分布を表示します

構成ー動的

積上げ棒グラフ

棒グラフ内に内訳を表示します

積上げ面グラフ

棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた形のグラフです

構成ー静的

円グラフ

構成を示すのに一番オーソドックスなグラフです

ウォーターフォールグラフ

増減の内訳を表示するグラフです

比較ー複数アイテム

レーダーチャート

比較する項目が多い時に便利なグラフです

棒グラフ

比較ー時系列

折れ線グラフ

複数の線の推移を比較できるようにします

積上げ面グラフ

棒グラフと折れ線グラフとの中間のグラフです

<まとめ>

今回はダッシュボード内で使用するグラフの選択方法について解説しました

グラフを選択する際には、何より大事なのは「何を示すか?」を明確にすることです

 今回は「何を示すか?」について4つの区分を紹介しましたが、何を示すかが明確になれば選択すべきグラフ種類も明確になるはずです!

 尚、今回は4つの区分に紐づく形で選択すべきグラフ種類を紹介しましたが、あくまで目安であることを最後に付け加えさせて頂きます

【M言語実践】顧客の2回目のリピート率を分析する方法

 パワークエリはとても便利ですが、M言語となると使い道がよく分からないと思います

今回は、M言語を使用した実践的な分析手法を紹介したいと思います

私は以前、EC通販会社に勤めていました

 EC通販では顧客の顔が見えないので、データからどういう顧客がいて・どういう行動をしているのか・を分析する必要があります

様々な分析を行いましたが、指標として一番重視していたのが「顧客の2回目リピート率」です

顧客の2回目のリピート率が何故重要なのか?

 これには様々な理由がありますが、一番の理由は2回目のリピート率を少しでも改善すれば、売上が長期的に増加するからです

読者の方でも外食をした際に「あの店には2度と行かない・・・」という経験をした方も多いと思います

 逆に同じ店で2度食事をして、その店に慣れてくると3回目、4回目とリピートする意欲する気が高くなると思います

 ビジネスでも「2回目のリピート」というハードルをクリアすることの意義はとても大きいのです

ただし、普通にエクセルで2回目のリピート率を算出しようとするとかなり面倒です

私は一時期、IF関数で注文回数を付与して、2回目の注文だけシートを分けたりしていました

ましてや、2回目のリピートの有無別に顧客分析をしようとするとかなりハードルが高いです 

ところが、M言語を使えば2回目のリピート率は意外と簡単に算出できます!

ポイント

今回使用するデータは会員別の注文データです

 上の画像では2回目の注文があった会員に黄色の印を付けましたが、2回目の注文があった会員もいれば、そうでない会員もいます

ここからまず、会員番号毎に注文回数を付与します

そして、上の画像の表から次のような表を作成します

上の画像では、その前の画像の表から注文回数を「1回」に絞り込んであります

結果として、会員番号の列は会員番号が重複なく並んでいます

そして「2回目判定用」なる列が追加されています

こちらは注文回数の差分です

こちらの差分は注文回数を「1回」に絞り込んだ場合にはになります

この列が1の会員は2回目の注文があった会員です

 つまり、「2回目判定用」の列の合計を「注文回数」の列の合計で割れば2回目のリピート率が出るという仕掛けになります

(注)尚、上記の画像のデータ以前に注文履歴は無いという前提で解説を行わせて頂きます。ですので、本当は初回の注文ではないのでは?という疑問は持つ必要はありません

注文回数の付与

ポイントで解説した通り、まずは会員番号別に注文回数を付与します

こちらについての詳細については、過去の記事をご確認をお願いします

大きく分けて2つ行うことがあります

1つ目は、グループ化です

会員ID別(会員番号別)に「すべての行」でグループ化を行い、会員ID別にテーブルを作成します

次にカスタム列・作成画面にて、テーブル別にM関数/Table.AddIndexColumnを使用して連番を付与します

すると、注文回数が連番で付与されます

注文回数の差分の算出

こちらについても詳細は過去の記事をご参照願います

この差分を算出するには、パワークエリでは本来は困難な「セル単位」や「行単位」の処理に踏み込む必要があります

ポイントとなるのは、こちらも「連番」です

上の画像のように連番をつけると、連番と画面左の行番号とが対応するようになります

ちなみに、M言語は0ベースなので、実際にM言語で使用する1行目は0になります

ここから波括弧:{}を使用します

波括弧は行番号を表します

例えば、注文回数{0}とした場合には、注文回数列の1行目のデータなります

この波括弧と連番をうまく組み合わせることで、注文回数の差分を算出します

上の画像にて黄色の印を付けた波括弧内は、注文回数の各行の1つ下の行番号の値になります([注文回数]の前のDataは前ステップの名称になります)

つまり上の画像内では、注文回数列をA列だとすると<=A3-A2>と同様の計算が行われています

ちなみに、try~otherwiseとすることでエラーを回避しています

注文回数の絞り込み

 上記まで行ったところで、エディタを確認すると以下の画像のような状態になっています

ここから注文回数の列にフィルターをかけます

こうすれば注文回数の列は「1」のみ、2回目判定用の列は0か1になります

ここまでくれば、後は各列を合計して2回目のリピート率を算出するだけです

合計にはM関数/List.Sum関数を使用します

 上の画像では、2つの合計値を/で割り算をすることでリピート率を算出しています

%の表示にしたい場合には、List.Sum関数でリスト化した内容をテーブル化した上で%に型式を変えます

<まとめ>

今回はM言語の仕組みを使用して、2回目のリピート率を算出しました

2回目のリピート率を算出するのに、主に2つのM言語の技術を活用しました

1つ目はグループ化を通じて各グループ毎に連番を付与する仕組みです

2つ目は注文回数の差分を連番と波括弧を組み合わせて算出する仕組みです

 この2つの技術を通じて、注文回数と2回目の注文有無を0か1で表現できるようにしました

 今回は2回目のリピート率を算出しましたが、本当に大事なのは2回目のリピートがあった会員とそうでない会員との違いは何かを調べることです

 今回作成したクエリを複製して途中のステップを削除すれば、会員番号別に注文の有無が表示できます

 他のデータを会員別に紐づければ、2回目の注文があった会員とそうでない会員の購入している商品の違いなども調べることができるはずです

 更に注文回数の差分を抽出する仕組みを応用して、初回から2回目までの日数なども調べることができます

M言語が本当に有効なのはこういった複雑な分析が必要な場面だと思います

 特にグループ化から連番を付与する仕組みと差分を算出する仕組みは、分析作業にて使う場面も多いと思いますので、しっかり活用できるようにしておきましょう!


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【M言語実践】グループ別に指定桁数にて連番を付与してIDを設定する裏技

 パワークエリはとても便利です。利用者もどんどん増えていると思います。ただ、パワークエリの言語のM言語となると「何ができるの?」となると思いますので、今回は実践での活用例を紹介したいと思います

今回は下の画像の表にある商品に、「グループ別に1から始まる番号」で採番した連番を付与した商品IDを付けたいと思います

今回のポイント

今回はM言語を使用して「グループ別に連番」を付与した後に、”0”で桁数を揃えます

グループ別に連番を付与する方法については過去の記事を参照してください!

こちらは、グループ化機能とM関数のTable.AddIndexColumnを組み合わせます!!

では「”0”で桁数を揃える」という点について、詳細に解説します

例えば、連番が2の場合には「002」にします。もし10の場合には「010」とします

 こちらの桁数を揃える方法については、「例からの列」機能を活用する方法もありますが、今回はM関数の「Text.PadStart」を使用します

このText.PadStartは下のように使います

=Text.PadStar(文字列,桁数,”補う文字列”)

今回は、”0”を補って下の画像のように指定の桁数にします

上の画像では、”1”に”0”を4つ補って5桁にしています

それでは、今回のポイントとなるM関数/Text.PadStartを解説したところで、実際の商品コードの設定に入りたいと思います

文字コードの付与

 今回は、商品グループがCDの場合には「A」、DVDの場合には「B」という風に、商品コードの一桁目を商品グループで表現します

この場合は、条件列を使用するのが一番、手っ取り早いです

例えば、商品グループ名がCDに等しい場合は、Aを出力するといった具合で条件列を設定します

グループ別連番の付与

こちらについての詳細については、過去の記事をご参照願います

概要だけを解説しますと、まずは「すべての行」にてグループ化を行います

すると、グループ別にテーブルが作成されます

その後、カスタム列・作成画面でTable.AddIndexColumnを追加してグループ別に連番を作成します

上の画面でカスタム列を作成した結果が次の画像です

M関数により”0”を補う

 では、グループ別に連番を作成できたので、グループコード/A,B,Cと連番を組み合わせて4桁の商品コードを作成します

グループコード以降は”0”を補って3桁(全体で4桁)にします

M関数/Text.PadStartは次のように使用します

=Text.PadStart(Text.From([連番]),3,”0″)

1番目の引数で「Text.From関数」にて文字列にするのがポイントです

これで”0”を補った3桁が作成できました

この3桁をグループコード/と結合(列のマージ)させれば4桁の商品コードは完成です

次の画像が4桁の商品コードの完成後です

<まとめ>

今回はM言語を使用して、グループ別に1からはじまる連番を採番した上で商品コードを作成しました

ポイントとしてはM関数/Text.PadStartを使用して”0”を指定桁数になるように補う点になります

M関数を使用しない方法もありますが、M関数を使用した方がミスなく作成が行えます

最後に、グループ別に連番を採番する技術はとても実践的な技術です

ぜひ早めに習得しておきましょう!


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1つのピボットテーブルから複数レポートを作成する方法

【今回はピボットテーブル・グループ化機能の裏技を解説します】

複数のレポートを作成するのに、1つのピボットテーブルをコピーして使い回したりしていませんか?

今回は、ワンクリックで1つのピボットテーブルから複数レポートをシート別に作成する裏技を紹介します

今回使用するデータ

今回使用するデータは次の画像のデータです

 カテゴリーには「かつ丼」の他に「牛丼」「親子丼」があり、日付別にカテゴリー別の売上個数のレポートを作成します

日付は20以上あるので、手動だと日付別のレポート作成はかなりの時間を要します

事前準備

今回の場合だと、下の画像のピボットテーブルから日付別のレポートを作成します

複数レポートを作成する準備として、フィルター欄に日付フィールドを配置します

複数レポート作成

レポートフィルターページの表示

まず、ピボットテーブル上にカーソルを置いたまま「ピボットテーブル分析タブ」を選択し、下の画像の「黄色の印の箇所/三角マーク」を上から順番にクリックします

すると「レポートフィルターページの表示」というテキストが見えますので、こちらをクリックします

実行

「レポートフィルターページの表示」をクリックすると、次のようなダイアログボックスが表示されます

こちらのダイアログボックスで「日付」が選択されているのを確認したらOKボタンを押します

すると、次のGIF画像のように日付別のレポートがシート別に作成されます

<まとめ>

今回は、1つのピボットテーブルから複数レポートを作成する方法を解説しました

ぜひ、実際に手を動かして試してみて頂きたいと思います

 先日紹介したグループをカスタマイズする方法を、今回紹介した「複数レポート作成」と組み合わせると、レポート作成作業がより一層効率化が図れると思います

ちなみに、今回解説にしようしたエクセルのバージョンは次の通りです


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ピボットテーブルでグループ化をカスタマイズする方法

【今回はピボットテーブル・グループ化機能の裏技を解説します】

ピボットテーブルにグループ化という機能があります

数値や日付でデータをまとめ直すことができるのでとても便利です

実は、文字列でもグループ化機能が使えます!

グループを文字列にて作成すれば、「マスタなし」のままでデータを独自にまとめ直すことができます

使用するデータ

地区別の注文金額をデータとして使用します

地区は上の画像のように「東京、名古屋、神戸・・・」という風に分かれています

こちらの地区の区分を東日本西日本にグループ化します

グループ化及び解除

グループ化

 グループ化を行う時には、数値や日付でグループ化する時とは違い、まずはグループ化の対象をCtrlキーを押しながら指定します

その後、右クリックして表示される「グループ化」をクリックします

すると、下の画像のようにグループ化対象として指定した箇所がグループ化されます

 上の作業で「東日本」にグループ化する「東京、仙台」をグループ1でまとめ直したので、次に「名古屋、神戸、大阪」をグループ2にまとめます

グループ解除

グループ化したものを解除する場合には、該当のグループ上で下の画像の「グループ解除」をクリックします

グループ名の変更

 前章のままだと、グループの名称がそれぞれ「グループ1」「グループ2」のままなので該当のグループにカーソルを置いて名称を変更します

尚、画面右の作業ウィンドウに目を移すと、グループ化したことにより新たに作成されたフィールドの名称が「地区2」となっています

こちらは、一旦、フィルター欄に配置します

その後、数式バーでフィールド名を変更します

<まとめ>

今回は、文字列から独自にカスタマイズしたグループを作成する方法を解説しました

この方法を知っておくと、わざわざマスタを作成してVLOOKUP関数で紐づけるなどの手間も不必要です

しかも、変更処理もグループ化の解除を行った後に、再度グループ化を行うだけなのでとても楽です

エクセルはとても進歩しているので、こういった裏技を知っておくと業務効率が違ってきます

また次回、ピボットテーブルの裏技を紹介していきます

ちなみに解説で使用したエクセルのバージョンは次の通りです


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